子育てコラム

子どもの体にぶつぶつ…。知っておきたい子どもの「あせも対策」

2022年4月5日 10:00

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    暖かい陽気から、一気に暑くなる日も増えてきました。この時期から出てくる子どもの肌のトラブルと言えば、「あせも」です。本記事では子どものあせもトラブルについて解説します。

    あせもの原因は?

    あせもの原因は、皮膚表面にある汗腺という管が閉塞してしまうことです。汗腺とは、皮膚の表皮内にある、汗を分泌する管のことですが、子どもの皮膚表面にある汗腺は大人と同じだけあると言われており、体が小さい分、大人よりも密に存在していると言えます。

    その汗腺が、汗の成分である塩分や、皮脂や外表の汚れにより蓋をされてしまうことで、汗が外に出られなくなってしまい、トラブルが起こった状態が「あせも」と言われる状態です。医学的には汗疹とも言います。汗はもともと体の老廃物でもあるため、汗が汗腺内にとどまってしまうと、周りの皮膚に炎症を起こしてしまい赤くなったりかゆみが出てしまったりします。

    また、子どもは大人よりも体温も高く、活動も活発で汗をかきやすい環境にあるため、汗のトラブルは多く起こる傾向があります。

    このようにして起こるあせもは、基本的には汗を多くかく肘や膝の関節部、首、背中やおなか、パンツのゴム部などによくできる傾向があります。そして、左右対称に出ることが多いです。皮膚の赤みはあったり、なかったりですが、大抵は細かく少しだけ隆起する発疹が、汗腺部に一致して現れます。

    あせもトラブルを避けるためには?

    あせもの対策は、汗腺を詰まらせないようにするのが一番です。基本的には、汗をかいたあとは、すぐにシャワーなどで汗を流すか、タオルでしっかりふき取りましょう。

    汗自体は放っておけばすぐに乾燥しますが、汗に含まれる塩分や老廃物は皮膚の表面に残りますので、これがあせもの原因になってしまいます。すぐにシャワーを浴びたり洗い流したりできない場合には、ひとまず下着だけでも着替えるのも有効です。

    乳幼児の場合は、しっかり吸湿してくれて、通気性のよい素材の下着をこまめに替えるとよいでしょう。それも難しい場合には、市販の汗取りパッドを挟んでこまめに交換してあげましょう。

    また、汗をかいたあと、皮膚からは水分が逃げやすい状態になり、乾燥が進んでしまい、さらにかゆみを引き起こす原因にもなります。前述のようにしっかり汚れを取った上で、保湿をすることも重要です。

    夏場だけではないあせもトラブル

    暑くなればあせもが出来やすくなるのは当然ですが、意外に冬場にもあせもの相談はよくあります。子どもは寝るとき布団からすぐに出てしまうので、あったかいスリーパーを着せたり、厚着させたくなったりするかもしれません。

    しかし、基本的に子どもは暑がりなので、その必要はありませんし、厚着させることでかえってあせものトラブルが起こってしまう場合があります。手足が多少冷たくなっていても、体が冷えていなければ、厚着をさせる必要もありませんし、必要以上に暖房を付ける必要もありません。大人よりも一枚少なくするイメージでよいでしょう。

    また、最近よく聞くのは、保育園などでも床暖房を導入していて、子どもがあせもを起こす事例です。特に小さい赤ちゃんは寝かせていると、床暖房の部分は熱がこもってあせもになりやすいので、注意が必要です。

    その他、抱っこひもで赤ちゃんとお出かけする場合には、お母さんやお父さんと長時間密着している部分、つまり向かい合わせの抱っこの場合はおなか、前向き抱っこの場合は背中ですが、その部分はあせもができやすいので、注意してください。

    汗の中に繁殖する雑菌もいる!

    また、あせもの治りが悪い子の中には、マラセチアというカビの一種が悪さをしている場合もあります。マラセチアはアトピー性皮膚炎の悪化の原因にもなることで知られているカビですが、正常の皮膚にも存在していて、皮脂を栄養源にして生きています。

    皮膚上に存在している細菌や真菌のバランスが崩れて、マラセチアが増えすぎたり、マラセチアに対するアレルギー反応が起こると、皮膚の炎症が起きてしまうことがあります。

    あせもが悪化していくようなら、病院を受診してもいい?

    「たかがあせもで受診してもいいの?」と迷われる方もいるかもしれませんが、多くのあせもはかゆみを伴うため、掻き壊してしまってどんどん悪化します。特に小さい子供は加減が効かず、血が出るまで掻いてしまうこともあります。

    一旦皮膚がただれてしまうとなかなか治らない上に、とびひなどの感染症も引き起こしやすくなります。雑菌の繁殖やアレルギーが関与している場合もありますので、上記の対応をしてもどんどん悪化していく場合や、対応が後手に回るようであれば、早めに皮膚科や小児科を受診するほうがよいでしょう。

    また、あせもだと思って放置していたら、他の病気だった、ということもあるので、迷ったときは一度受診してみてもいいと思います。

    米田 真紀子

    MAKIKO YONEDA

    医療法人 啓信会きづ川クリニック 小児科医

    1981年生まれ。平成19年滋賀医科大学医学部卒。同年4月より滋賀医科大学付属病院にて初期研修の後、同大学小児科学教室入局。平成23年より済生会滋賀県病院勤務の後、平成27年より京都きづ川病院勤務。その間、3人の子供に恵まれ、育休・産休を取得しつつ、現在はその経験を生かして、患者とその家族の心に寄り添う診療を心がけている。一般診療から小児救急、新生児領域まで幅広い経験を有する。

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