子育てコラム

子どもがおもちゃを飲み込んでしまった…どう対処すべき?

2022年3月30日 15:07

目次

    生後56ヵ月ごろから、子どもは手に取ったものをなんでも口に入れて感触や味を確かめるようになります。また、45歳になったお子さんでも、遊びで口のなかに何かを入れているときに、誤って飲みこんでしまうこともあります。小さな子どもがおもちゃや小物を飲みこんでしまったとき、飲みこんでしまったかもしれないとき、どう対処すべきなのでしょうか?

    「口の大きさ以下」のものには要注意!

     

    乳児の口の大きさは約30mm3歳児でも約40mmです。それ以下の大きさのものは固形物でも紙片やビニール片でも何でも窒息の原因となるため、子どもの周りに置かないように注意が必要です。

     

    乳幼児のおもちゃには玩具安全規格の規定があり、この規定をクリアしたおもちゃは3歳以下対象のものは直径44.5mmの小球や小部品がないように設計され、3歳以上対象のものでも必ず警告が付いています。おもちゃを買い与える際には、この基準を満たしたという印であるSTマークがあるかどうかもチェックしてみてください。

     

    きょうだい児がいる場合には、大きい子のおもちゃが小さい子の周りに散らかっていないかどうか、常に注意しておく必要があります。

     

    いずれにせよ、子どもがおもちゃや小物を扱う際は、大人がしっかり見守っておく環境づくりが重要です。

    まずは呼吸を確認する

    子どもが何か飲みこんではいけないものを飲みこんでしまったとき、まず確認すべきは、呼吸がちゃんとできているかということです。

     

    口のなかのものは通常、よだれとともに飲みこまれて食道を通って胃に落ちますが、間違って気道のほうに転がり込んでしまうこともあります。気管を塞いでしまった場合、首のあたりを両手で押さえる動作がみられ、正常に呼吸ができず、声も出せません。

     

    そして次第に顔色が悪くなり、よだれを垂らしたり、苦しそうな表情をしたりして、数分で意識がなくなり、解除できなければ命に関わります。気道のもっと先に落ちていってしまった場合には、通常激しい咳込みが見られます。

    息が詰まっているときの応急処置

    子どもが何かを気道に詰まらせている様子があれば、すぐに119番し、応急処置が必要です。

     

    1歳未満の乳児の場合は、親が椅子に座った状態で太ももの上に子どもをうつ伏せに寝かせ頭を下げた状態で、子どもの背中(肩甲骨の間くらい)を力強く5回程度手のひらで叩いて吐き出させるようにします。

     

    また、1歳以上の子どもであれば、背部から子どもを抱き、両手で組んでみぞおちの当たりに置き、突き上げるように圧をかけることで吐き出させるようにします。焦っているときにはなかなかできないので、一度はシミュレーションをしておくとよいでしょう。

     

    また、明らかな兆候がなくても、変な咳込みが続いている場合や、何かを口に入れていたあとに急に不機嫌になった場合など、なにかいつもと違って様子がおかしいと感じた場合には、病院を受診するとよいでしょう。

    飲み込んでしまったかわからないときは

    子どもが何かを誤って飲みこんだかもしれないが分からない、といって病院を受診する人は少なくありません。たとえば、おもちゃを口に入れて遊んでいたが、一部分が欠けてなくなっている、とか、そこに置いておいたはずのものがなくなっている、という場合です。

     

    多くの場合、子どもは一見元気なので窒息はしていないことは分かりますが、本当に飲みこんでいるのか、ということと、飲みこんでいるならば、喉や食道でとどまってしまっていないかどうかをチェックする必要があります。

     

    喉や食道でとどまらず胃内にさえ落ちてくれれば、基本的には自然排出を待って経過観察となることが多いです。食道にはもともと細くなっている部分が3ヵ所ありますが、そこを通過できれば、その先の胃や腸で詰まってしまうことはまずありません。ただし、いくつか、すぐに処置が必要なものがあります。

     

    気を付けたいのが、まずボタン電池です。おもちゃの電池を入れる部位のネジが緩んでいて、子どもが遊んでいるうちに電池が出てしまい誤って飲みこんでしまうパターンが多いです。

     

    また、タイマーや時計など大人が使うものは、ボタン電池が比較的簡単に出てきてしまうために注意が必要です。ボタン電池は気道や食道などの粘膜に貼り付いたり胃内に落ちたりして胃酸と反応すると、わずか数10分でアルカリ性の液体が流出し、化学やけどを起こし食道や胃粘膜に穴を開けてしまうことがあります。

     

    また、磁石にも注意が必要です。通常1個の磁石であれば、そのまま排出を待つこともありますが、2個以上の磁石を飲みこんだ場合、磁石同士が引きあって腸の粘膜を挟みこんでしまい、その部分の血流がなくなり腸に穴があいたり傷がついたりしてしまう事例が報告されています。

     

    押しピンや針など、また3cm以上の先が尖ったものは口の中や食道・胃・腸を傷つける可能性があります。食道に引っかかっていたり、胃内にとどまったりしているものは、摘出の対象となります。

     

    これらのものを誤飲した場合には、レントゲンなどで実際の位置を確認し、内視鏡などで摘出するかどうか判断する必要があります。可能であれば同じものを持って、早急に病院を受診してください。

     

    米田 真紀子

    MAKIKO YONEDA

    医療法人 啓信会きづ川クリニック 小児科医

    1981年生まれ。平成19年滋賀医科大学医学部卒。同年4月より滋賀医科大学付属病院にて初期研修の後、同大学小児科学教室入局。平成23年より済生会滋賀県病院勤務の後、平成27年より京都きづ川病院勤務。その間、3人の子供に恵まれ、育休・産休を取得しつつ、現在はその経験を生かして、患者とその家族の心に寄り添う診療を心がけている。一般診療から小児救急、新生児領域まで幅広い経験を有する。

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