子育てコラム #食事・栄養
栄養士が子どもに食べさせたい野菜ランキングベスト10!1位は意外なあの野菜
2022年9月18日 10:00
野菜は子どもの健やかな成長に欠かせません。いろいろな野菜を食べさせたいところですが、どれを食べさせれば効率よく栄養素が摂取できるのでしょうか。
今回は、数多くの野菜の中でも特に栄養価が高いものを、ランキング形式で10個紹介します。あわせて、子どもに必要な1日分の野菜摂取量や、野菜を食べてくれないときの対処法などをお伝えします。
~目次~
子どもに必要な1日分の野菜はどのくらい?
子どもの年齢によって、野菜摂取量の目安が異なります。
摂取目安量(1日) | |
1~2歳 | 180g |
3~5歳 | 240g |
6~7歳 | 270g |
8~12歳 | 300g |
グラムだとイメージが付きにくい場合は、一度いろいろな野菜を集めて量ってみるといいでしょう。
・1/3以上を緑黄色野菜(例:かぼちゃ、ほうれん草、にんじん、トマト、ピーマンなど)
1日摂取目安量のうち1/3以上を緑黄色野菜で補うのが理想です。緑黄色野菜は基本的に、色の濃い野菜が該当します。
これらの野菜には、カロテンという栄養素が多く含まれており、強い抗酸化作用があります。カロテンは脂溶性(油に溶ける性質)なので、油を使って調理をすると吸収率が上がります。ほかにも、葉酸やビタミンK、カリウムなどの栄養素が豊富です。
・2/3は淡色野菜(例:玉ねぎ、キャベツ、レタス、なす、きゅうり、だいこんなど)
残り2/3の野菜は、淡色野菜から摂取しましょう。淡色野菜は断面の色が、白っぽくなっています。
淡色野菜には、ビタミンCや食物繊維、カリウムなどが多く含まれます。水溶性(水に溶ける性質)のビタミンが多いので、スープなど煮汁ごと食べられる料理に使うといいでしょう。
栄養を効率よく摂取できる野菜ベスト10
栄養を効率よく摂取できる野菜をランキング形式で10個紹介します。
1位 モロヘイヤ
β–カロテンが豊富なだけでなく、カルシウム、葉酸、食物繊維などさまざまな栄養素を多く含みます。ネバネバとした食感が特徴で、のどごしがよく、納豆などネバネバ食材が好きな子どもと相性がいいでしょう。
2位 ほうれん草
鉄分が豊富で、そのほかビタミンC、カロテン、ビタミンB群などをバランスよく含みます。ほうれん草は通年出回っていますが、旬である冬のものは甘みが強くなっています。
3位 ピーマン(パプリカ)
中でも完熟した赤・黄ピーマンは、ビタミンCの含有量がトップクラス。また、カロテンを多く含むのも特徴です。子どもからは嫌われがちですが、栄養素を多く含む野菜なので、上手に調理して取り入れたいですね。
4位 トマト
β–カロテンやリコピン、ビタミンC、ビタミンE、カリウムなどを多く含みます。最近では甘い品種も多く出回っており、フルーツ感覚で食べられるので、子どもから比較的好かれやすい野菜です。
5位 ブロッコリー
ビタミンCや葉酸、カリウムなどの栄養素を多く含みます。クセが少なく、ブロッコリーなら食べられるという子どももいます。
6位 小松菜
カルシウムを牛乳並みに含むのが特徴です。そのほかβーカロテンやビタミンCを含みます。ほうれん草よりもクセが少なく、食べやすい野菜といえます。
7位 かぼちゃ
β–カロテン、ビタミンE、ビタミンB群、ビタミンC、カリウムなど多くの栄養素を豊富に含んでいます。甘くてホクホクとした食感なので、子どもに好かれやすいでしょう。
8位 にんじん
β–カロテンが野菜の中でもトップクラスです。ほかにもカリウムや食物繊維を含みます。甘みが強いのでお菓子とも相性がよく、野菜嫌いを克服するきっかけになりやすい野菜です。
9位 キャベツ
ビタミンCや胃を保護するビタミンU(キャベジン)、食物繊維などが含まれています。ほのかに甘味があり、生食でも加熱してもおいしく食べられます。
10位 れんこん
でんぷんが多いので、加熱をしてもビタミンCが損なわれにくいのが特徴です。また、食物繊維やポリフェノールなども多く含みます。薄くスライスすればシャキシャキ食感に、厚く切ればホクホクとした食感になります。
野菜を食べてくれないときは?
ランクインしている野菜を中心に、バランスよく食べてほしいところですが、野菜嫌いな子どもは難しいこともあるでしょう。そんなときはランクインしている野菜のうち、どれかひとつだけでも料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。
たとえば、生のトマトは食べられなくても、ケチャップやトマトソースなら食べられる場合はそれでもOKです。トマト缶やトマトジュースを料理に使えば、無理なく食べられるかもしれません。まずは野菜を食べられたという、成功体験を積むことが大事です。
また、カレーやミートソースなど、濃い味の料理の中に野菜を入れれば風味が薄れるので、多少食べやすくなるでしょう。
お子さんの野菜嫌いに悩む親御様にピッタリのセミナー!
管理栄養士さんが野菜嫌いを克服するコツ&レシピを教えてくださいます。
アーカイブにて配信中、お時間ある際にぜひご覧ください!
まとめ:どれかひとつだけでも野菜が食べられればOK!
今回、栄養を効率よく摂取できる野菜を10個紹介しました。いろんな野菜をバランスよく食べられるといいのですが、まずはどれかひとつだけでも食べられれば100点だと思ってください。
また、1日の野菜摂取量を満たせなかったからといって、すぐに問題が出るわけではありません。目標量に近づけるよう、少しずつ野菜の量を増やしてみましょう。
端場愛
hashiba ai
栄養士
寮生の栄養管理、老人保健施設、内科・整形外科などで経験を積んだ後、フリーの管理栄養士兼ライターとして活動。学生から高齢者まで幅広い世代の栄養管理に従事。今日より少し健康になれるレシピを開発したり、体と栄養の関係について多くの人に伝えたりするために、コラム執筆、本の執筆協力などを行っている。