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長女の「赤ちゃん返り」保護者はどう対応すべき?

2022年2月1日 15:00

目次

    弟や妹ができるとわかったときなどに、赤ちゃんに戻ったような振る舞いをする「赤ちゃん返り」。本記事では、保護者の方から寄せられた相談から、赤ちゃん返りの対処法について考えていきます。

    【相談事例】長女の「赤ちゃん返り」どう対応すべき?

    長女の赤ちゃん返りに悩んでいます。

    2子を出産後、しばらくは「赤ちゃんかわいいね」とお姉ちゃん気分だった長女が、最近になって洋服を自分で着なくなったり、「○○ちゃん(妹)、嫌い!」と暴れ出したりするようになりました。ネットで検索してみると、「甘えさせることが重要」と出てきたので、これまで以上にスキンシップの時間を確保するようにはしていますが、なかなか状況が改善せずにイライラする日々です。

    「わがまま言わない!」と叱ってしまうこともあり、自己嫌悪に陥っています。

    「赤ちゃん返り」はずっと続くものではない

    子どもの突然の変化は、“赤ちゃん返り”と思いつつも、いつまで続くのか不安になりますね。また、下の赤ちゃんを見ながら、上の子とのスキンシップの時間をこれまで以上に確保するのは、大変なことだと思います。改善しない状況にイライラしてしまうのも仕方のないことですね。

    しかし、赤ちゃん返りはずっと続くものではありません。反抗期のように、子どもの成長に必要なものであり、悪いことではないので安心してください。その理由と、具体的な方法をお伝えできればと思います。

    子どもの心は、“甘え”“自立”を繰り返しながら育つ

    子どもの心は、“甘え”“自立”を繰り返しながら育ちます。

    わがままをいって甘えているとき、子どもは安心感を貰います。そして、充分な安心感が心に溜まると、次第に不自由だと感じるようになり、“自分でやりたいという思い”に変わります。これがさまざまなことへの意欲となり、自立の世界へと向かわせるのです。

    ところが、自立の世界は、自由な一方で失敗したり、戸惑ったりすることの多い不安な世界です。その不安があまりに大きくなると、子どもは“甘え”の世界に戻ってきます。甘えて安心すると、また自立の世界に向かっていきます。

    “自立”の反対は“甘え”ですから、甘えさせないことが自立させる近道だと思われがちですが、実はそうではありません。「甘えた人が自立する」のです。

    お姉ちゃんになったことが嬉しくて、自立の世界に向かって行ったけれど、不安になって赤ちゃんのように甘えたり、乱暴になったりする。この心の動きが、いわゆる「赤ちゃん返り」です。“自立”から“甘え“に戻ってきた状態です。今までは自分だけのお母さんだったのに、下の子が生まれてお母さんのおっぱいを飲んでいる、激しい環境の変化にストレスを感じています。さびしい、構ってほしい。不安でたまらないため、「自分は嫌われたのではないか」という不安を打ち消そうとして、甘えてくるのです。

    「赤ちゃん返り」は、子どもの不安を示すサイン

    下の子が生まれたとき、保護者にとって子育ては本当に大変だと感じられるでしょう。叱ったあと自己嫌悪に陥ってしまうのは、叱られた子の気持ちを想像すると苦しくなるからですよね。今まで通りに良いことと悪いことを伝えようとしなくても、その愛情があれば、ちゃんとお子さんは育っていきます。

    幼児退行とも呼ばれる赤ちゃん返りは、不安を示すサインです。今までよりレベルを下げて、子どもの言動を受け入れてあげましょう。

    今までできていた着替えができなくなったら、まるで赤ちゃんに行うように、着替えさせてあげましょう。そして、「○○ちゃん、嫌い!」といったら、「○○ちゃん(妹)が嫌いなのね。お母さんは●●ちゃん(本人)が大好きよ」と抱きしめて、不安な気持ちを受け止め、愛情を伝えてあげましょう。

    たっぷり甘えさせてあげることが、自立に繋がる

    “甘え”と“自立”のペースは、あくまでも子どものペースで進んでいきますが、基本的に子どもが求めてくることに答えていくと、その子の“自立”に繋がります。子育てのゴールは、“自立”です。たっぷり甘えさせてあげることが、子どもの自立に繋がると思うと、少し肩の力が抜けるのではないでしょうか。

    そして、保護者の方は育児や家事をひとりでがんばらないようにしましょう。本来、子育てはみんなで行うものです。私はいつも保護者の方に、気持ちに余裕がなくなるまえに、周りに助けてもらうようお願いしてみては、とお話しています。保護者の方に余裕が生まれると、家庭がほんわかしてきます。そんななかで育つことが、お子さんにとっての一番の幸せではないでしょうか。

    大坪可奈

    幼児教室コペル代表講師・ペアレントセラピスト主宰

    幼児教室コペルの代表講師として、30年間で10,000人以上の子どもたちとお父様・お母様を指導。近年は、日本全国や中国での『幼児教育の重要性』を伝えるセミナーが人気を集めている。 「子どもが自立するまでは親からのサポートが必要であるように、親が子育てを学び実践するまでは専門家からのサポートが必要だ」という信念に基づき、日常で実践できるようなほめ方・しかり方や、ケースバイケースの指導を大切にした母親勉強会も評判。 現在も、新宿ミライナタワー教室で、胎教・ベビーコースを行い、幼児教育を通じて、幸せな親子が増えて世の中がよくなることを願っている。 著書「自己肯定感を高める最強の子育て」(PHP出版)