インタビュー

子どもの内股・よく転ぶ原因は足にある?子どもの足チェック&予防法【理学療法士監修】

2023年10月5日 13:51

元気いっぱいに走ったり跳ねたりできるのも、強く健康な足があってこそ。今回は子どもたちの遊びと運動の土台になる「足」について、子どもの足の痛みと歩き方の専門家である、理学療法士の藤原慎也さんにインタビュー。子どもの足の健康チェック法や、将来困らないようにするためのトラブル予防法などをご紹介します。

子どもの足の特徴と足の成長段階

子どもの足にはどんな特徴があるの?

大人の足の骨や関節とは違って、子どもの足はまだ未熟な状態です。骨や関節も柔らかいため、外的影響を受けやすい状態にあることが子どもの足の特徴としていえると思います。

子どもの足はどのように成長していくの?

まず3歳頃から足裏のアーチというものが現れ始めます。それが6歳頃に土踏まずとしてある程度できあがり、10歳頃までにおおむね完成します。またたくさんの親御さんから、内股、O脚、X脚などのご相談もよく受けます。これにも成長段階があり、2歳頃までは多くの子がO脚傾向、3歳頃からX脚傾向になり、7歳頃までにある程度まっすぐになっていきます。一般的に子どもの足は成長に伴って形が変化するので、この頃の足の形は心配ないことがほとんどです。

子どもの足についてよくある相談

先ほどお話しした通り、子どもの足は発達途中にあるため、多少の足の形の変化は成長過程に起こる生理的なものであることがほとんどです。ですが中には次のような足の相談を受けることもあります。

①足指が地面に接しない「浮き指」
②足裏が真っ平らな「扁平足」
③足の親指が人差し指側に曲がる「外反母趾」
④小指がねじれたり薬指側に曲がる「内反小趾」
⑤足のつま先が内側に向く「内股」

発達途中で起こる上記のような子供の足の悩みの多くは、心配のないものであることも多いですが、もしも子どもが痛がっていたり、転びやすいなどの様子が見られたら、まずは医師に相談することをおすすめします。

子どもの足のトラブルの原因とは

子どもの足のトラブルは、靴が合っていないことと運動不足が大きな原因です。さらに生まれつきの体の特徴も考えられます。靴については別の項でお話ししますので、ここでは他の2つについて解説します。

①運動不足

厳しい夏の暑さやコロナ禍などもあって、子どもたちが外遊びをする時間がますます短くなってきています。足のアーチがしっかりとでき始める6歳頃までに外遊びや運動をたくさんして、適切に足を使うことが足や体の成長に関わってきます。

②関節弛緩

関節弛緩とは、生まれつき関節が緩すぎることをいいます。発達途中の子どもの足は筋肉も骨も柔らかく、それに加えて関節も過度に柔らかいと、足を正しく支えることができません。その結果、足指が変形したり将来的に足のトラブルにつながる恐れもあります。成長に伴って関節が固まってきたり、周囲の筋肉が発達してしっかりと支えられるようになることもありますが、関節弛緩そのものは生まれ持った体の特徴です。関節弛緩がある場合は、その子に合った靴を選ぶなどの正しい対処法が必要になります。

子どもの足のチェック方法

ここではご家庭でできる子どもの足のチェック方法をご紹介します。

子どもロコモチェック

子どもロコモとは、骨や関節などの運動器の働きが衰えて、基本動作がやりにくくなっている子どもの症状のことをいいます。3歳以上であれば次の4つの動作で子どもロコモをチェックしてみてください。4つ全てできれば特に問題はありません。

①片足立ち

両手を広げて片足で5秒間立ちましょう。左右ともできますか?

②しゃがむ

足の裏を床につけたまましゃがんでみましょう。尻もちをつかずにしゃがめますか?

③腕上げ

両手をまっすぐに上げましょう。垂直に上がりますか?

④前屈

膝を伸ばしたまま体を前に倒します。指が床につきますか?

転びやすさチェック

3歳以下の子には子どもロコモチェックは少し難しいので、普段の生活の中でよく転ぶことがないかをチェックしてあげてください。よく転ぶというのは、体のバランスが影響していることも考えられます。将来のトラブルに繋がらないよう、転ばないための対処法が必要です。

健康な足を育てるために必要なこと

子どもが将来、体のことで困ることがないように小さいうちからトラブルを予防したり、健康な足を育てていくことが大切です。そのために押さえておきたいポイントをご紹介します。

①毎日60分以上の外遊び

文部科学省が出している幼児期運動指針には、毎日60分以上は体を動かして遊ぶことが提唱されています。またこちらの指針では幼児期に身につけておきたい基本的な36の動作が示されています。例えば、立つ、ぶら下がるなどのバランスを取る動きや、登る、くぐるなどの体を移動する動きがあり、これは特定のスポーツをするよりも公園での遊具遊びなどによって経験できるものばかりです。公園に遊びにいくのであれば、昔ながらの遊具があるような公園がおすすめです。

②裸足で過ごす

足裏にはたくさんの感覚受容器があります。砂浜や芝生、凸凹のある場所で足裏に刺激を入れていくことが良いといわれていますが、安全面や衛生面も心配なところかもしれません。裸足で外遊びが難しいようでしたら、できるだけ屋内では裸足で過ごせる時間をつくり、足の感覚を育ててあげましょう。

③足に触れてあげる

子どもの足にたくさん触れてあげてください。たくさん触れられることで子どもの感覚が育ちます。

正しい靴選びのポイント

健康な足を育てるために正しい靴選びは欠かせません。次のようなポイントで靴選びをしてみてください。

①子ども靴の専門家を探す

靴選び以上に大切なのが、靴屋さん選びだと思っています。子どもの足に詳しい靴の専門家がいるお店で購入することが理想です。足の状態を見てもらった上で、どの靴が良いか選んでもらうことをお勧めします。

②正しいサイズを選ぶ

子どもの足はすぐに大きくなるからと、大きめのサイズを買うことはやめてください。足は縦と横、甲周りのサイズを測って選びましょう。また誰かのお下がりを履かせるのもおすすめできません。

③脱ぎ履きしやすい靴はやめる

保育園や幼稚園などで「脱ぎ履きしやすい靴」を案内されることもありますが、スリッポンのようなタイプは足のためにはおすすめできません。

④柔らかすぎる靴はやめる

かかとがしっかり固定されるもので、簡単に曲がったりねじれたりしないタイプがおすすめです。

⑤留め具があるものを選ぶ

甲の部分がストラップや紐などでしっかりと留まるものがおすすめです。

子どもの足でお悩みのパパママへ

お子さんが将来、体のことで困らないように今からできることはたくさんあります。年齢が上がれば上がるほど本来の良い状態には戻しづらくなるので、小さなうちからの対処が必要です。

足の病気やトラブルで本当に心配なことがあれば、まずは医師に相談をしてください。靴の選び方で困ったら、靴の専門家に聞いてみてもいいと思います。その上で誰に相談したらいいか分からない悩みや、誰かに相談しても「様子を見ましょう」と言われて困っている場合は、私のような子どもの足の専門家を頼ってみてほしいと思います。

藤原慎也

fujiwara shinya

理学療法士

総合病院の整形外科で理学療法士として勤務。自身の子どもが外反扁平足と診断されたことをきっかけに子どもの足について本格的に向き合う。同じような境遇にある家族の力になるために「こどもの足とカラダの相談室」を開設。オンライン相談のほか、整体院で対面相談も行っている。

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