インタビュー
大量!かさばる!夏休み前に持ち帰る学用品の上手な収納方法は?【整理収納アドバイザー監修】
2023年7月14日 17:14
炎天下の中、大量の荷物を抱えて歩く子どもたちの姿。夏休み前のおなじみの光景ですが、その荷物を前にして途方に暮れる親御さんたちも少なくないと思います。どうやってしまう?どこにしまっておく?
そんな『小学生の親あるある』にお答えいただくのは、整理収納アドバイザーの鈴木久美子さん。大量の学用品の収納方法や、整理収納がうまくいくポイントなどをお伺いしました。
~目次~
夏休み前に小学生が持ち帰る学用品って何があるの?
夏休み前の持ち帰り品は学校によって違いがあるので、ここでは私の子どもたちが通っていた小学校を例にしてご紹介します。
一般的に全学年共通のものとして、道具箱、絵の具セット、粘土セットがあります。そこに加わるのが、3年生から書道セット、4年生から彫刻刀セット、5年生から裁縫セットです。教科書は毎日持ち帰る学校もあれば、お子さんの負担を考慮して教室に置いたままにしている学校もありますが、夏休み前はノートやワークと一緒に全て持ち帰ってきます。
これらの学用品以外にも上履きや体操服、ピアニカやリコーダー、工作や絵画作品、宿題やお知らせなどのプリント類があり、さらに1学期に育てた苗木などが加わることもあります。
夏休みの学用品を持ち帰ったらやること
これらの大量の荷物を持ち帰ってきたらまずは中身を確認しましょう。そして、できればその日のうちにお子さんと一緒に片付けに着手できるといいと思います。
夏休みの学用品の整理収納STEP1:要らないものを捨てる
まずは要らないものを確認して取り除くところからはじめます。道具箱の中のゴミや小さなクレヨン、筆箱の中の折れた鉛筆やボロボロの消しゴムなどなど。とんでもないことになっているお子さんも多いはずです(笑)。
夏休みの学用品の整理収納STEP2:不足しているものをチェック
必要な学用品のリストと見比べて不足しているものがあればチェックをしておきます。絵の具や色鉛筆なども足りない色がないか確認して、不足しているものは夏休みの間に購入します。
夏休みの学用品の整理収納STEP3:お手入れをする
絵の具セットや書道セットは汚れていることが多いので、夏休みの期間に洗って乾かしておきましょう。ピアニカやリコーダーは週末に洗っていても、この機会に細かくお手入れをしてあげてください。筆箱も汚れを拭き取っておきましょう。
夏休みの学用品の整理収納STEP4:あらかじめ決められた収納場所に置く
収納場所として2つのスペースを用意しておくことをおすすめします。一つは教科書やノート、ワーク、夏休みの宿題などの本類、プリント類を収納する場所です。
もう一つが夏休み中に使わないものを収納する場所。ここに収納するのは上記以外の道具箱や絵の具などのセット品、ピアニカやリコーダーも夏休み中に使わない場合はこちらに分類します。
学用品などの収納場所の考え方
前項でご紹介した2つの収納場所について、もう少し詳しくご紹介します。
プリント類、本類を収納する場所は?
これらはランドセルやカバンの中から出して、子どもがすぐに取り出して使える場所に収納してください。子ども専用の学用机があればそこに、なければランドセルラックやカラーボックスなどを子ども専用の収納スペースとして置いあげるといいと思います。
夏休み中使わないものを収納する場所は?
夏休み中も部屋を快適に使えるように、新学期まで使わないものは一旦避けておきます。クローゼットや押し入れの中、納戸などにまとめてしまっておきましょう。
▼鈴木久美子さん宅の子ども用クローゼット
夏休みの宿題やプリント類の整理方法
宿題やプリント類の整理方法STEP1:宿題とその他のプリント類の仕分け
夏休みの宿題には冊子型のドリルタイプとバラのプリントタイプがあります。宿題の説明や保護者向けのお知らせなどのプリント類も大量に持ち帰りますので、まずはそれらを仕分けます。
宿題やプリント類の整理方法STEP2:ファイリング&ラベル付け
親子で一緒に内容を確認しながら、クリアファイルに入れていきます。そしてひと目でわかるように「夏休みの宿題」と書いたラベルを貼り付けます。
宿題やプリント類の整理方法STEP3:宿題の計画を立てる
できるようなら夏休みの最初の方で、宿題の計画を立てておけるといいかもしれません。1日のうち何時から取り組むのか、どこまでに何をやるかなどを一緒に決めていきましょう。
宿題やプリント類の整理方法STEP4:ファイルは目につきやすい場所に
ファイルは子ども専用スペースの一番目につく場所に置いておきましょう。
学用品のストックを上手に管理するには?
学用品のストック用の箱を作ってそこにまとめて入れておき、普段から手に取りやすい子ども専用の収納場所に置いておきましょう。小学生からは親御さんもチェックしながら、できるだけ自分で管理するという習慣をつけておくといいと思います。
鉛筆や消しゴムなどの細々としたものは、プレゼントや景品などでもらうことも多く、増えすぎてしまう場合も。気づいたら使いかけでいっぱいになることもあるので、増えすぎにも注意が必要です。
整理収納がうまくいくポイントとは?
ここでは私が整理収納アドバイザーとしてお仕事をする中で、よくお伝えしている大切なポイントをご紹介します。
整理収納のポイント①:入学前からスペース確保&ルール作り
子どもの荷物の収納場所は夏休み前に用意しておくことをおすすめします。さらに私がお客様にお伝えしているのは、小学校入学前からスペースを確保しておくことです。子どもの荷物をあらかじめ想定しておき、日々のランドセル置き場はここ、週末の持ち帰り品はここ、長期休み前に持ち帰ったものはここ、といった具合に収納のルール作りができていると片付けもスムーズに進みます。
整理収納のポイント②:普段のものは子どもが手の届く場所に
お部屋をすっきりとさせたい方の中には、荷物はすべて作り付けのクローゼットの中にしまっておいて外に何も出しておきたくない、という方もいらっしゃいます。ですが子育て中のご家庭に限っては、すべてをしまい込む方法はあまりおすすめではありません。多くの子どもは学用品が目につかなければ勉強をしようと思いませんし、目につく位置に収納場所があるから、物を出したり片付けたりできます。ぜひ小学生の間は、目につく場所に自分専用の収納スペースを設けてあげてください。
整理収納のポイント③:何のために保管しておくのかを考える
多くの親御さんが取り扱いに悩むものとして、戻ってきたテスト用紙や子どもの手作り作品があります。答案用紙は見直しのために保管してあるのであれば、見直しが済んだら捨ててもいいと思います。工作は思い出として取っておきたいなら、写真に残してしばらく飾った後に捨てるというのがおすすめです。
親から子へ「片付け習慣」という愛情を
「子どもの躾は10歳までがカギ」という考え方を聞いたことはないでしょうか?片付けだけに限らず、どんなことでも親が繰り返し言って聞かせられるのは10歳くらいまでというのが一般的な考え方のようです。それ以降になれば、子どももうるさく言われることを嫌がったり反発してくることもあります。ですから10歳まで、せめて小学校の間は片付けの習慣をつけさせるよう、根気強く向き合って「片付けをしよう」と言い聞かせてあげてください。
歯磨きについては、泣こうがわめこうがなだめすかして何とか磨かせたという親御さんが多い中、片付けに関してはそこまでは言わないという声もよく聞きます。ですが身の回りを整えるという習慣においては、歯磨きも入浴も片付けも同じこと。
「言ってもやらないんです」と諦めてしまわずに、親御さん自身が片付けをする背中を見せながら、一緒に取り組んでいただければと思います。生きるのに必要な習慣をつけてあげるのは、親が子どもに贈ってあげられる最大の愛情だと思います。ぜひこの夏休みを使って親子ではじめてみてください。