インタビュー

【助産師が教える!】赤ちゃんが安心できる抱っこの仕方!覚えておきたい抱っこのコツ

2023年9月16日 14:05

生まれたばかりの赤ちゃんにとって最も落ち着くのは、大好きなママパパに抱っこされている時間かもしれません。そんな親子にとって幸福な時間をもっと安全で心地よいものにするために、正しい抱っこのコツや手順を助産師サキココさんにお伺いしました。

抱っこは赤ちゃんとママにどのような効果があるの?

抱っこの効果として昔からいわれているのは、ママと触れ合うことで赤ちゃんの情緒や発達面が促進されるということです。赤ちゃんはママの匂いや温もりを感じることで安心できますし、ママにとっても赤ちゃんと触れ合うことで幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが出て、情緒が安定したり実際に幸せを感じることができます。抱っこは赤ちゃんにとってもママにとっても大きなメリットがあると思います。

抱っこの基本姿勢と注意点

落ち着くのは「丸い抱っこ」

赤ちゃんを抱っこする時は「丸い抱っこ」がいいといわれています。というのも、特に生まれて間もない赤ちゃんにとって最も自然なのは、ママのお腹の中にいた時の少しうずくまったような姿勢。ですから体の中心に向かって丸くなるような姿勢で抱っこしてあげることが大事です。

気をつけたい姿勢

抱っこした時に赤ちゃんの体が反ってしまったり、足がダランと下がってしまう姿勢というのは、赤ちゃんにとって無理があり、落ち着かない姿勢といえます。

股関節脱臼に注意

抱っこをする時に一番注意が必要なのは股関節脱臼です。赤ちゃんの足は膝が外側に向いたM字型が自然な形なので、それを内側に閉じ込めるように抱っこをすると股関節に負担がかかり脱臼をするリスクがあります。

赤ちゃんが安心できる抱っこのコツ

月齢によっても抱っこのコツは変わってきますが、すべてに共通していえるのは次の3点です。

①赤ちゃんの体が反らないようにすること

後ほど具体的に説明しますが、正しい場所を支えてあげて、赤ちゃんの体が反らないように抱っこしてあげることが大切です。

②赤ちゃんとできるだけ密着すること

赤ちゃんをママの体にしっかり密着させることで、重さを感じにくく楽に抱っこすることができます。赤ちゃんと接する面積が少ないと、重さを感じたり余計な力が入ってしまいママの体を痛める原因にもなります。

③力を抜くこと

赤ちゃんをあまりギュッと抱きしめてしまうと、体の反りにもつながります。ママ自身もできるだけ力を抜ける抱っこが理想です。背もたれのある椅子を利用してもいいですね。

赤ちゃんを抱っこする方法は?基本の抱っこの仕方

赤ちゃんの基本の抱き方には「横抱き」と「縦抱き」の2種類があります。ここから具体的に順を追って抱っこのやり方をご紹介します。

▼動画で見る抱っこの仕方

1)横抱きの手順

①赤ちゃんを抱き上げたらそのまま自分の体の方に引き寄せます。
②赤ちゃんの首が利き手と逆側の肘の内側あたりにくるようにセットします。
③利き手と逆の手でお尻を支えます。その際、足がダランと下がらないように、Cカーブとなるよう脚も腕の中で支えましょう。

<ポイント>
首が丸く内側に入った姿勢になっていれば問題ありません。足も含めてまん丸な姿勢がベストです。

2)縦抱きの手順

①赤ちゃんを抱き上げたら頭側が上にくるように引き寄せます。
②片側の手のひらで頭部を支え、逆の手でお尻を支えます。
③足をだらんと下がらないよう、お尻をしっかりホールドして脚の形も確認しましょう。

<ポイント>
赤ちゃんの背中をギュッと支えてしまうと体が反る原因になります。また下側の支えについても、腰部分を押さえてしまうと股関節に負担がかかります。必ずお尻部分を支えてあげましょう。縦抱きの時はママの脇を締めて抱っこすると、赤ちゃんも反りにくく楽に抱っこできます。

赤ちゃんの基本の抱き上げ・抱き下ろしの手順とポイント

1)抱き上げの手順

①利き手を赤ちゃんの体の下に入れ込み、首の付け根あたりを支えます。
②逆側の手を赤ちゃんのお尻の下に入れ込んで支えます。
③2点を支えたまま抱き上げます。

<ポイント>
首が座るまでは抱き上げる時に頭が後ろに反りがちなので、首の付け根から後頭部のあたりまで広く支えてあげると安全です。

2)抱き下ろしの手順

①ママと密着させたまま赤ちゃんの体をゆっくりと床(ベッド)に近づけます。
②先にお尻側を下ろして、ママの体を密着させながらできるだけゆっくりと手を抜きます。
③次に頭側を下ろして、同じく体を密着させながらできるだけゆっくりと手を抜きます。

<ポイント>
抱き下ろしに関するお悩みで多いのが、いわゆる「背中スイッチ」が入って赤ちゃんが泣いてしまうこと。コツはいきなり体を離さないことです。ママと赤ちゃんの体を密着させたまま寝かせましょう。

横抱きや縦抱きから抱き替えるときの仕方やコツ

抱き替えとは縦抱きにしていた赤ちゃんを横抱きにしたり、横抱きで授乳している時に左右を入れ替えたりすることです。また誰かと抱っこを交代する時、相手の利き手に合わせて左右を入れ替えるためにも必要です。ここでは横抱きの左右の入れ替え方法をご紹介します。

①添えていた方の手をはずし、首〜頭あたりを支える。
②お尻を支えていた手はそのまま。
③頭部とお尻を支えている状態のまま、180度回転させる。
④頭側の手を滑らせ、肘の内側に頭がくるようにし、手はお尻を支える。

抱っこの時はコミュニケーションも大切に

初めてのお子さんを持つ前のママパパにとって、抱っこのやり方は未知なことかもしれません。当然赤ちゃんにとっても初めての体験ですから、お互いに少しずつ慣れていきながら上手にステップアップしていければいいですね。

赤ちゃんにとって大切なのは上手な抱っこの仕方だけではありません。ママパパの声やお顔、ぬくもり、匂い、それらのすべてが安心につながる大好きなものなんです。ですから抱っこをしながら赤ちゃんと目を合わせて声をかけるといったコミュニケーションも大切にしてほしいと思います。それによって赤ちゃんもママパパも余計な力が抜けて、良い抱っこの形になると思います。

助産師サキココ

sakicoco

助産師

助産師として病院勤務を経て、フリーランス助産師に転身。毎週会えるインスタ助産師としてオンライン相談会や各種講座を通じて、多くのママをサポートしている。Instagram▶︎こちら

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