インタビュー #マネー・就労

【ジュニアNISA】FPが教える!今からでも始めるべき3つのメリット&おすすめ証券会社

2023年3月18日 11:58

2023年末で廃止になる、未成年を対象とした少額投資非課税制度「ジュニアNISA」。いまからでも始めたほうがよいのでしょうか。

ジュニアNISAのメリット・デメリットや教育資金の準備について、ファイナンシャルプランナーのさがのさんにお話を伺いました。

ジュニアNISAとは?一般NISAとの違いは?

ジュニアNISAは、2016年にスタートした子どものための投資制度です。一般NISAと同じ非課税制度で、非課税の期間が5年間であることも一般NISAと同じですが、非課税投資枠が一般NISAでは年間120万円であるのに対して、ジュニアNISAは年間80万円です。また、ジュニアNISAは実質的に金融機関を変更できないことや、18歳になるまでは払い出しに制限があることなどが、一般NISAとの違いとして挙げられます。

一般NISAとは別にジュニアNISAが作られた目的は、子どもの将来に向けた資産形成をサポートするためです。18歳という大学進学に向けて一番多く教育費がかかってくる時期までに資金確保をしたいというニーズに対応する意味合いもあると考えられます。

ジュニアNISAの3つのメリットとは?

ジュニアNISAのメリット①:子ども専用口座で教育資金を用意

メリットとしては、一人ひとりのお子さんにそれぞれ専用の口座を作って教育資金を用意できることが挙げられます。

ジュニアNISAのメリット②:相続税対策

また、祖父母が孫にお金をあげたい場合、贈与税の基礎控除額である110万円の枠の中にジュニアNISAの非課税投資枠80万円がおさまるので、相続税対策としても使うことができます。

ジュニアNISAのメリット③:子どもの金融教育になる

2022年4月から、高校でも家庭科の授業で金融教育がはじまりました。自分用の投資商品があることで、世の中の景気や株価の動きなど、経済に対する子どもの興味関心が高まることが期待されます。

ジュニアNISAの2つのデメリット

ジュニアNISAのデメリット①:金融機関を変更できない

一方、ジュニアNISAは金融機関を変更できません。正確には変更できなくもありませんが、そのためには既存の口座を廃止し、それまでに受け取った全ての配当金や売買益に税金がかかるため、実質的に変更ができないのと同じです。これは、1年ごとに金融機関を選べる一般NISAに比べて、ジュニアNISAのデメリットだといえるでしょう。

ジュニアNISAのデメリット②:マイナスになるリスク

また、投資商品である以上、払い出したいタイミングでマイナスになっているリスクもゼロではありません。

ジュニアNISAが2023年で廃止になる理由

一般NISAやつみたてNISAに比べると、ジュニアNISAの口座数はかなり少なくとどまっており、廃止の理由はあまり人気がなかったためだと考えられます。

一般NISAはいつでも取り崩して現金化できるのに対し、ジュニアNISAは18歳までは払い出しに制限がかかってしまいます。そのため資金が必要になっても使うことができません。そういった使い勝手の悪さが、敬遠された理由だと思われます。また、子ども用に年間80万円を出せる家庭はあまり多くないのかもしれません。

ジュニアNISAは今からでも始めたほうがよい?

今年1年分だけでも、非課税枠をさらに80万円分確保できるという点で、始めるメリットはあります。また、投資教育の目的のためにお子さんにプレゼントしてあげるのもよいでしょう。

特に廃止が決まってからは、18歳までの払い出し制限がなくなり、ペナルティなしで必要なタイミングで利用できるようになったことで駆け込み需要が起きています。

お子さんがまだ小さく運用期間が長い場合は、マイナスになるリスクは低いといえるので、教育資金として始めるのもひとつの手です。もっとも、ジュニアNISAでも一般NISAでも、投資商品のみを教育資金とするのはリスクがあります。NISAだけでなく、学資保険などの手堅い商品や預貯金をバランスよく組み合わせて教育資金を用意するのが安心でしょう。 

ジュニアNISAの始め方は?4つのステップ

ジュニアNISAの始め方の手順を説明します。

①金融機関の選定・決定

口座を開設する金融機関を決めます。ただしジュニアNISAを作るときは、同じ金融機関に親が口座を持っていることが必要なので、基本的には親と同じ金融機関で口座を作ることになります。

②書類の取り寄せ・記入

口座開設に必要な手続きの書類を取り寄せ、書類に必要事項を記入して返送します。

③審査・口座開設

金融機関から国に口座開設の申請がされ、審査に通れば口座開設の通知が届きます。ここでの審査とは、NISA口座は一人1個しか持てないので、重複がないかの確認です。

④運用開始

開設された口座にお金を入れて商品を買います。

おすすめの証券会社は?

NISAの口座は、銀行や証券会社で作ることができますが、ネットで24時間手続きが可能で商品の品ぞろえも多く、また手数料も安いネット証券で作るのがよいでしょう。

とくにおすすめなのが、SBI証券や楽天証券、マネックス証券で、なかでもSBI証券はいま一番勢いがあります。普段から楽天カードを使用していて楽天でよく買い物をするのであれば、ポイント制度が充実している楽天証券もおすすめです。

いろいろなパターンを想定して教育資金準備を

ジュニアNISAは今年で終了してしまいますが、最初に制度が定められたときに比べると、かなり使い勝手がよくなっています。お子さんの年齢に応じた運用年数や、ご家庭の余裕資金によっては、ぜひ使っていただきたい制度です。

昔に比べて学費も上がっており、進学先が私立か国立か、自宅生なのか下宿生なのかなど、お子さんの進路によって必要となる教育費は変わってきます。

いま国の政策は子育て関係を充実させようという方向にあるので、そういった動きも見ながら、お子さんに必要な教育費を貯めていただければと思います。

sagano

sagano

ファイナンシャルプランナー1級、CFP®

夫の保険が解約されそうになったことをきっかけにお金の勉強を始める。会社員とファイナンシャルプランナーの2足のわらじで、教育費や老後資金など人生に必要なお金の知識をわかりやすく発信。大学生と専門学校生の二人の息子の母。

  • Instagram