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注意欠陥多動性障害(ADHD)について

2021年12月14日 5:00

注意欠陥多動性障害(ADHD)について

子どもや若者が診断されることが多い注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断例が増えていることについて、なかには必要でないにもかかわらず強力な薬を服用させられている子どもがいる可能性があると医師らが警告を発しています。

今回はADHDの診断と治療についてお伝えしていきたいと思います。

ADHDにおける過剰な投薬の可能性

ADHDは重度の不注意、多動性、衝動性が頻繁にみられる障害ですが、子どもの性格や成熟度に関する問題までもが、ADHDという言葉によって「治療対象」にされているのではないかと一部の専門家は懸念しています。

今回の分析によれば、リタリンなどの治療薬はADHDの症状が「深刻な」場合にのみ使用されるべきで、データによるとADHDと診断された子どものなかで投薬に当てはまる症例は子どもの場合、約14%にすぎないということです。

しかし、米国では2010年に約87%が、診断後に投薬を受けていました。

ADHD治療薬の効果と長期的影響

ADHDの主な治療薬には、子どもが大人に成長したときに及ぶ長期的な影響は解明されていないため、論文は「不必要で、しかも危険の可能性がある薬物治療だ」と警告しています。

BBCパノラマプログラムは、ADHDの薬物治療が長期的には効果がないと報じました。3年を過ぎると、リタリンやコンサータは、セラピー程度にしか効かなくなるという調査結果が発表されました。

また、1998のADHDコンセンサス会議では、リタリンの服用がのちの薬物乱用の一因かもしれないという研究結果を発表しています。

ADHDを持つおよそ400人の子どものうち、子ども時代にリタリンで治療を受けた子は、受けなかった子に比べて、成人してからのコカイン使用率、喫煙率が約2倍となるという調査結果が発表されました。

更に、アメリカで多発する学校内における無差別殺傷事件には、処方精神薬の影響があるという可能性が指摘されています。

ADHDのメリット

集団行動などが苦手で学級崩壊の元凶とされているADHDですが、最近ではメリットも指摘されています。

ADHDの人は、色んなことに興味があり、たくさんのことを一度にこなすことができるという才能を持ち、そして、今まで周りと違う状況に、冷たい目を向けられていたという経験から、人に対して温かい思いやりを持った人になる傾向があるそうです。

慎重に検討して深刻な症状がない場合は、個性として暖かく見守ってあげることもいいかもしれませんね!!

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