インタビュー

【水泳オリンピック選手監修】子どもの水泳(スイミング)の人気の理由と始めるメリットとは?

2023年8月4日 15:39

子どもの習い事として常にトップに挙げられる水泳・スイミング。スポーツクラブなどでも場所によってはキャンセル待ちが出るほどの人気だそうです。そこで今回はアテネオリンピックに出場し、現在も多くの方に向けて水泳指導を行なっている森隆弘さんにインタビュー。スイミングを習うメリットや実際のレッスン内容についてお話を伺いました。

スイミングをおすすめする理由

多くのスイミングスクールでだいたい6ヶ月頃からベビークラスを設けていますが、習い始めとして私がおすすめしているのは3歳くらいから。子どもの脳の発達という側面から見ても、その頃からが良いと思います。

このくらいの年齢の場合は、親御さんのご希望で習い始める子がほとんどで、その理由としてはちょっと体が弱いので強くしたい、何か運動を始めさせたいといったものになります。習いにくる中には喘息気味の子も多く、実際に続けてみたら小児喘息が治ったという子もいますし、水泳をおすすめしているお医者さんもいます。また、メジャーリーガーの大谷翔平選手も子どもの頃は水泳を習っていたことが知られていて、将来的に何かスポーツをやらせたい場合の入り口としても水泳はおすすめだと思います。

スイミングを習うメリットと注意点

ここでは子どもがスイミングを習うメリットをご紹介します。また私自身の経験から感じた注意点を一つお伝えします。

メリット1:風邪をひきにくくなる

外で思い切り体を動かして遊ぶことが減って、運動能力や免疫力が下がっている子どもが多いように感じます。水泳は全身を使って運動をするので、体が鍛えられますし、風邪もひきにくくなります。

メリット2:心肺機能が鍛えられる

水中に潜ったり上がったりしながら呼吸を行うボビングという練習があります。これは普段の呼吸よりも多くの酸素を吸ったり吐いたりして、「呼吸筋」と呼ばれる筋肉のトレーニングをするもの。これによって心肺機能を鍛えることもできます。

メリット3:達成感が持てる

できなかったことができたり、最後までやり遂げることで達成感が得られて、子どもの自信に繋がります。誰かと競うことが好きな子にとっては、友達よりも上手くなったり早く泳げることが楽しみにもなります。

メリット4:メンタル面も鍛えられる

水泳は水の中で行う運動なので、他のスポーツとは違った苦しさがあります。昔、水泳をしていたスポーツ選手の中には「水泳をしていた時の方が苦しかった」という人がいるほど。苦しい練習を乗り越えることで、どんなことでも頑張り抜ける強いメンタルが育つはずです。

〈注意点〉小さすぎるとプール嫌いになってしまうことも

我が家の例ですが、子どもが2歳のときにスイミングスクールに連れて行ったら、とても怖がってしばらくプール嫌いになってしまいました。子どもによってはこのようなケースもあります。明らかに拒否反応を起こしている場合は、無理して入らずに様子を見てもいいと思います。お風呂で顔をつける遊びをしながら水に慣れるところから始めてみてください。

スイミングスクールの選び方は?

スイミングスクールを大きく分けると、スイミング専用のスクール、スポーツクラブ併設のスイミングスクール、公営のプールなどを使ってレッスンを行うスクールの3種類になります。

将来的な選手育成に力を入れているスクールもありますが、実際はほとんどが同じカリキュラムを使っていますので、レッスン内容にそこまで大きな差はありません。もちろんコーチの力量や子どもとの相性によって変わってくる部分もありますが、どのコーチにつけるかは始まるまでは分かりません。ですから私のおすすめは、できるだけ家に近いところ。その方が子どもの負担も少ないと思います。

■月謝はどのくらい?

月謝は平均すると、週に1回のレッスンで6,500円から7,000円くらい。それ以外の費用としては、スクールによって初回に登録料がかかったり、指定の水着やキャップなどの購入費があります。

■送迎はどうする?

スイミングスクール選びの決め手として、送迎の有無は大きなポイントになっています。多くのスクールが送迎バスを出していますが、その場合は月謝が若干上がります。送迎がないスクールの場合は、親御さんに送り迎えを行っていただきます。

年齢別クラスのレッスン内容

スクールによって年齢の基準やレベルに多少のばらつきはありますが、一例としてクラスごとの大まかなレッスン内容をご紹介します。

■ベビークラスは水慣れから

0歳から2歳くらいまでの場合は、親御さんも水着になって入っていただき、水に慣れる練習が中心になります。プールに入る前の水の掛け方や、入るときの抱っこの仕方など、親御さんに向けての指導も多くなります。スイミングスクールだけではなく、ご家族でどこかへ遊びに行ったときにも水を怖がらないことを目指します。

■幼児クラスは水中遊び

2、3歳くらいになって水への抵抗がない場合は、ちょっと潜ってみたり、水中の輪っかをくぐってボールを取るなどの遊びを行います。スクールによっては親御さんも一緒にプールに入っていただきます。

■キッズクラスは進級に向けたレッスン

子どもたちだけでレッスンが受けられるようになると、進級基準のあるクラスに入ることになります。クラスの大まかな流れは、最初に準備運動をしてからコーチによる練習内容の説明、その後、30分から40分くらい泳ぐ練習をして、最後に5分くらい友達やコーチと自由に遊んで終了になります。

今の子どもたちにこそスイミングはおすすめ!

長く続いたコロナ禍のマスク生活によって呼吸器系が弱っていたり、外で遊ぶ機会が減って運動能力が落ちている子も見かけられます。そのような子どもたちにとってもスイミングは本当におすすめです。

子どもが水を怖がって顔をつけることもできない、と心配されている親御さんも多いですが、そこは焦らずに。周りと比べることなく、見守ってあげてほしいと思います。

一番大事なのは、楽しんでできることです。嫌になってしまったら、どんなに頑張っても結果にはつながらないですからね。ぜひプールで健康的に体を動かしてみてください。

森隆弘

moritakahiro

水泳選手

1980年3月2日生まれ。生後4ヶ月よりプールへ。小学校3年生の時にソウルオリンピック100m背泳ぎで金メダルを獲得した鈴木大地さんの姿を見て、オリンピック出場を本気で夢見始め、2004年念願のアテネオリンピックに出場。国内外の大会で優れた記録を残し、2008年に現役引退。その後「森隆弘塾」を開設し、水泳指導を行う傍ら、イベントや講演会なども行なっている

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