子育てコラム
子ども部屋を与えることと学力の関係性は?
2021年12月14日 5:00
子ども部屋と学力の関係とは
子どもの教育を考えるうえで、どのような子ども部屋を与えるかということに頭を悩ませるご両親も多いものです。
実際、子ども部屋と学力の関係を示すデータも多く報告されています。「頭のよくなる家」プロジェクトを展開させているエコスコーポレーションの四十万靖社長は、有名進学中学の合格者の家を200軒以上もまわって、フィールド調査をおこないました。
数年にわたるフィールド調査活動ののちに、四十万社長は、有名進学中学に合格した多くの子どもたちは、親が与えた子ども部屋では勉強をしていないということを発見しました。
成績のよい子どもたちといえば、勉強部屋に押し込まれて孤独に勉強をしていそうなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際は正反対で、家族とコミュニケーションをとりながら開放的な空間で勉強をしている子どものほうが、成績がよい傾向があるというのです。
脳の発達に必要な豊かなコミュニケーション
さて、このことには四十万社長の実測的なデータだけでなく、科学的な根拠もあるのです。
脳科学者で北海道大学教授の澤口俊之先生は、子どもの脳における前頭連合野の発達には、豊かなコミュニケーションが重要であるとしています。
子どもを子ども部屋に閉じ込めてしまうのではなく、開放的で家族とのコミュニケーションを多くとることができる環境に置いたほうが、子どもの前頭連合野は、より形成されやすいというのです。
近年の脳科学の発展により、人間の脳のなかで、一番高度な機能を司っているのは、この前頭連合野であると考えられるようになりました。
前頭連合野とは、言語的知性、論理数学的知性、絵画的知性、音楽的知性など、様々な人間の営みを支える、とても大切な脳の部位なのです。
10歳までは個室よりもコミュニケーションが取れる環境を
インテリアデザイナーであり、デザイナーズスタジオ株式会社代表の清田直美さんも、子どもが10歳になるまでは、個室を与えるよりもコミュニケーションのとれる環境におくことが大切だと主張されています。
清田さんは、子ども部屋を与えるうえで気を付けるべきこととして、以下のような4つの点を挙げられています。
広さ ベッドと机が置ければOK
設備 設備の充実よりも、鍵などを付けずにこもらない対策を
間取り・位置 人気の間取りはリビング経由
色・素材 白などの配色で明度・彩度が高いと広く見える効果が
上記の4点はあくまでも目安になりますが、十分参考にはなると思います。
一方で、小学校高学年から中学にあがるころには、ちゃんとした勉強部屋を与えることにも意味があります。
そのころには、一人の時間を持つことも大切になり、長時間集中して勉強することもできるようになってくるからです。
子どもの成長の段階に合わせて、子ども部屋のあり方についてはしっかり考えておきたいものです。
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