インタビュー #習い事

【ピアノインストラクター監修】子どもがピアノを習うのはいつから?費用相場・教室選びのコツ

2023年4月16日 10:00

子どもの習い事として人気のあるピアノ。何歳からはじめたらよいのか、どんな教室を選べばよいのかなど、子どもにピアノを習わせたいお母さんお父さんが気になる点について、ピアノインストラクターのKazuさんに教えていただきました。

ピアノは何歳から習える?何歳までに習ったらいいの?

まずはピアノ以前に音楽を楽しむことを0歳からでも始めると良いです。ご家庭で音楽を一緒に聴いたり、歌ったり、踊ったりすることは、それだけでも立派なリトミックになります。

ピアノを何歳から始めるかについては、「なぜ習って欲しいのか?」目的が大切です。クラシックのピアニストや音大を目指すのであれば、4歳くらいから始める方が多いです。クラシックの上達法は、簡単にいうと「音符を増やしていく」方法です。一般的に時間がかかるため、幼少期に始める方が多いです。

一方で、教養や楽しみの一つとして学んでほしい場合であれば、何歳から始めても遅くありませんし、大人から趣味で始めて楽しまれている方もたくさんいらっしゃいます。「ピアノはすごく小さい頃から習わないと難しい」といったイメージが根強いですが、上達法次第ではそんなことないと思います。

日本のほとんどの音楽教室では、「音符を増やしていく」クラシックの習い方が採用されています。しかし、実はそれが唯一のピアノの上達法ではないんです。実際に僕は、逆に「音符を減らす」簡単アレンジで、誰でも楽しくピアノが弾ける上達法を日々生徒さんに実践しています。

ピアノを習うメリットは?

一般的にイメージしやすいことだと、「感性(表現力)」や、練習や演奏をする上で「集中力」、「計画力」、ほかの人の演奏を「聴く力」、自分の想いを「伝える力」といったスキルを磨くことができる点ではメリットと言えます。

また個人的な経験から、ピアノを学ぶことが、様々なことへの「挑戦のきっかけ」に繋がることに一番の価値があると思います。一見ピアノに関係なくても、人前で表現することが得意になったり、音楽をきっかけにお仕事やプライベートで素晴らしい「ご縁」をいただいたりといったこともそうです。僕自身は今「個性を生かして人生の可能性を広げること」ができていますし、ピアノを経験させてくれた両親、先生に深く感謝しています。

ピアノを習うデメリットは?習う前に気をつけたいポイント

先生の言葉遣いや親御さんの声かけなど、指導の仕方によってお子さんが自信ややる気を無くしてしまった、というご相談を日々いただきます。

しかし、逆に考えると、声かけの仕方次第では子どもたちの自信を育む貴重な経験に変えることもできます。そしてここでも大切なのは、やはり「ピアノを習う目的」を本人と話し合いの上、はっきりさせておくことです。プロや音大を目指すのか、教養として楽しみたいのか、習う前はもちろん、始めてからも「ピアノ、今どんな感じ?」と日々お子さんに耳と心を傾けることが大切です。

ピアノを習う費用の相場は?

1か月8,000円が相場のようです。大手の音楽教室ではレッスン代と別に入会金、個人の教室であっても発表会の費用が別途必要なところは多いです。

料金は、生徒さんの年齢や1回のレッスン時間、1か月でのレッスン数、レッスン内容によって変わってくるので、各教室への確認が必要です。

ピアノ教室の選び方のポイント

教室や先生選びで大切なのは、その先生が「どんなことを大切にして生徒さんと向き合っているのか」事前によく教えてくれるか、という視点です。その上で、ピアノを習う目的やお子さんの個性に合った先生を選ぶとよいと思います。

小さなお子さんの場合は特に、先生との相性も大切です。僕自身も、小学1年生から大学受験までずっとお世話になっていた先生がいつも親身になってくださり、温厚なお人柄で支えてくださったからこそ、辞めずに続けることができました。今自分が先生として生徒さんと向き合う中でも、そんな風に親身に向き合う姿勢は何よりも大切にしています。

ピアノ教室、「大手」と「個人」どっちがいい?

大手の教室では、その企業が大切にしているコンセプトをもとに、カリキュラムなどが明確に決まっている場合が多く、一定の水準が保証されたレッスンが受けられる点はメリットでしょう。

個人の教室では、その子に合った教え方で寄り添ってくださる場合が多い点は、小さいお子さんには特にメリットと言えます。

一方で、大手、個人どちらにも、教材が決まっていて柔軟な対応が難しかったり、お家から手軽に通える場所になかったりといったことはデメリットになるかもしれません。この辺は教室や先生によるので確認が必要です。

”教室に通わない”という新しい習い方

小学校へ上がる前のお子さんはまだ手も小さく、ピアノでできることが限られます。だからこそ、まずはお母さんと一緒にお家で、その子が大好きな音楽や歌を楽しむことから始めることで、ピアノがうまく出来ず自信をなくしてしまうリスクを減らすことができます。

例えば、まずお母さんご自身がオンラインなどで最低限の弾き方を学び、お子さんに教える、または一緒に上達していくという形は、実際に僕が普段、生徒さんに実践しているスタイルです。まずは楽しんで取り組むが、「私、弾けた!」「もっとやりたい!」に繋がります。

騒音対策はピアノの音だけでなくペダルの音にも気をつけて

 電子ピアノやキーボードを買われるご家庭が多いので、その場合は音量の調節やヘッドフォンを使用すれば問題ない場合が多いです。生ピアノでもサイレント機能がついている楽器もあります。

また、楽器そのものの音だけでなく、マンションなどではペダルを踏む音が下の階のお部屋に響く可能性もあるので、その場合はマットなどを使用すると良いでしょう。普段から、ご近所の方に気を配ることは大切です。

生ピアノなど音が広がりやすい楽器であれば、壁に吸音材を張るのもひとつの方法です。また、お家から考える場合であれば、防音性の高い鉄筋コンクリート造の建物を選ぶことをおすすめします。

ピアノを習う上で一番大切なこと

 これはこの記事で僕が一番皆さんにお伝えしたいことです。

ピアノを習うとどうしても「上手い/下手」という視点だけで「よくできている」「あんまりできていない」と判断してしまいがちです。しかし、まだ小さいお子さんにとっては「好奇心」を生かした「楽しい学習」が「何かを継続することの大切さ」を学ぶきっかけにも繋がります。教室の課題が先行するのではなく、今のお子さんの気持ちに寄り添い続けてみてください。

一人でも多くの子どもたちが、ピアノを楽しく学ぶことができますように。

Kazu

Kazu

ピアノインストラクター

6歳でピアノを始める。音大ピアノ科に現役合格するも、挫折を経験。その後「コード奏法」を独学し、「誰もが楽しめる簡単アレンジ」を考案。発信を続けているInstagram(@kazu_piano7)はフォロワー3万人を超える。オンラインのピアノ教室では「子どもが喜ぶピアノ」を教えている。

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