子育てコラム

子どもの記憶力を高めるシータ波状態とは?

2021年12月14日 5:00

感性と記憶力の関係とは

人の脳には、約1,000億個の神経細胞が詰まっています。

たとえば、新聞を集めて1,000億字にしようと思ったら、700年分の朝刊を集めなければなりません。これほど多くの神経細胞が、たった一人の人間の脳のなかで働いているのは、驚異的だと思いませんか?

脳が記憶するときの条件として重要なリラックス状態

本来人間の脳は、図書館全体の本を覚えても、ガラガラなぐらいの驚くべき容量があるそうです。ところが、覚えようとしても、どうしても覚えられないときもありますよね。

人間の脳が記憶するときの条件として、深いリラックス状態の重要性が指摘されるようになりました。

その理由のひとつはホルモンの問題です。緊張やストレスを感じると、体からストレスホルモンが分泌されて、記憶力を低下させてしまうことがわかってきました。

記憶に最適な脳波「シータ波」

米国立衛生研究所は、副腎皮質から分泌されるストレスホルモンの濃度が増加すると、脳で学習や短期記憶をつかさどる「海馬」の正常な機能が障害されることを発表しました。

深いリラックス状態の重要性に関するもう一つの理由は、脳波の問題です。低い脳波である「シータ波」という、5ヘルツ程度の脳波が記憶に最適であることがわかってきました。

「シータ波」とは、アルファ波よりも深いリラックス状態で観察される脳波で、まどろみ波とも呼ばれます。「シータ波」は、新しいものを見たりして、あれこれと探索しているときに生じます。反対に、飽きたりマンネリ化して気持ちが散漫になっていると「シータ波」は発生しません

好奇心が「シータ波」を出す

興味や好奇心を持って、輝いた瞳でものごとを見つめたり感じたり考えたりするときにのみ「シータ波」が出るのです。

この「シータ波」が出ているときには、脳の配線が爆発的に伸びるのです。言い換えれば、新しい興味を持てるものごとは簡単に覚えられるということになります。

好きこそ物の上手なれという言葉があるように、興味のあることや、好きなアニメのキャラクターなどは、楽に覚えられるものです。

「シータ波」状態を育てるには

それでは、「シータ波」状態を育てるためは、どうしたらよいのでしょうか。

それは、本能を司る部分である感性脳を育てることです。生き生きとした感性を持つことが「シータ波」を出すことにつながります。

道端に花の咲いた通りを歩く子どもを、3通りに分けることができます。

1.花にまったく気付かない子ども
2.ただ花が咲いていると思うだけの子ども
3.きれいだなぁと感動する子ども

できれば、いつも3番目の子どもであってほしいですよね!

感動を忘れない子ども本来の感性、「シータ波」を生み出す「童心」が大切なのです。是非、好奇心を刺激して、感性豊かな童心を育ててあげましょう!

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