インタビュー #食事・栄養

毎日のごはんで子どもの免疫力アップ!管理栄養士が教える料理のコツ&おすすめレシピ

2022年10月14日 10:00

風邪やインフルエンザなどの予防に関してたびたび話題に上がるのが、免疫力を上げるための対策。風邪やインフルエンザなども流行するこれからの季節は、ますます気になる方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、免疫力を上げるために摂りたい栄養素や食材、野菜の栄養を損なわない下処理のコツなどを管理栄養士の小島香住さんに伺いました。栄養たっぷりのお手軽レシピもご紹介します。

子どもの免疫力アップのために摂りたい栄養素

免疫力を高めるために大事なポイントは2つあり、一つは腸内環境を整えること、もう一つは体内の活性酸素を取り除くことです。

胃や腸などは、食物などの外から取り込まれたものに直接接触する器官。必要な栄養は取り入れても、菌は取り入れないようにしなくてはいけません。そのため腸内環境を整える必要があります。

腸の働きを活性化させる代表的なものが食物繊維です。野菜の他にも、きのこ類や海藻にも豊富に含まれています。さらにヨーグルトや納豆などの発酵食品も大切で、こちらは腸内にいる善玉菌の餌になります。

体内の活性酸素を取り除くための代表的な栄養素は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEで、頭文字をとってビタミンACE(エース)とも呼ばれます。そしてもう一つ抗酸化作用で注目してほしいのが、野菜などに含まれるポリフェノールです。

もったいない!野菜の下処理のしすぎ

ポリフェノールとは野菜の色素や香り、苦味などの成分です。いわゆる野菜のアクと呼ばれるものもポリフェノール由来になります。

たとえばナスを切った後に水にさらす、にんじん、ごぼう、レンコンなどの皮を剥く。このような調理の一手間によって、かえって野菜のポリフェノールやβ-カロテンを損なっている場合も。ごぼう、レンコンは皮の部分にポリフェノールが豊富に含まれているので、泥を洗い流したら皮も料理に使いましょう。下処理をやり過ぎないことで、栄養がキープできる上に調理もグッと楽になります。

また冬に旬を迎えるブロッコリーは、ビタミンCの含有量が野菜の中でもダントツで、抗酸化力を高めるためにはぜひ食べたい野菜の一つです。茹でるとビタミンCが流れ出てしまうので、蒸したりスープに入れて汁まで摂るといいですね。

抗酸化力はエース級!カボチャとパプリカのハニーナッツロースト

ビタミンACEを含む野菜の代表格、ボチャを使ったレシピをご紹介します。皮の硬いカボチャも電子レンジを使うことで楽に調理ができます。

「カボチャとパプリカのハニーナッツロースト」

<材料>
・カボチャ  1/4
・赤パプリカ 1/4
・黄パプリカ 1/4
・オリーブオイル 大さじ2
・はちみつ  大さじ1
・くるみ   30g
・塩こしょう 少量

<作り方>
1.カボチャは種とワタをとり、ラップで包んでレンジで600W×3分加熱し、粗熱がとれたら1cm幅にスライスする。
2.パプリカはひと口大に切る。
3.フライパンにオリーブオイルを熱し、カボチャとパプリカを入れ焼き色がつくまで焼く。
4.くるみをポリ袋に入れ綿棒などで叩いて粗く砕いたら、3に加える。
5.塩こしょうを振り、はちみつを加えて全体に絡める。
6
.お皿に盛りつける。大人はマスタードを足してもおいしいです。

<栄養面でのポイント>
・カボチャ:ビタミンACE、食物繊維、旬の野菜
・パプリカ:ビタミンAC
・オリーブオイル:ビタミンE
・くるみ:ビタミンE

<備考>
・アーモンドや松の実など他のナッツでもお作りいただけます。
1歳未満の子どもには、はちみつを与えないようにご注意ください。

子どもと一緒に作る、野菜とフルーツのスムージー

抗酸化力の高い野菜として、小松菜もおすすめです。フルーツと一緒にスムージーにすることで手軽にたっぷり摂取できます。我が家の3歳の息子も好きで、簡単なお手伝いにもピッタリ。野菜への興味にもつながるので、ぜひお子さんと一緒に作ってみてください。

「小松菜とアボカド、パイナップルのスムージー」

【材料】
・小松菜    1
・アボカド   1/2
・パイナップル 1/8
・牛乳     50cc
・レモン果汁  小さじ1

【作り方】
1.小松菜をざく切りにする。
2.アボカドの皮を剥いて種を取り除く。
3.パイナップルは皮と芯を取り除きざく切りにする。
4.材料をすべてミキサーに入れて撹拌する。

【ポイント】
・パイナップルはカットフルーツの他、缶詰や冷凍など手軽に使えるもので大丈夫です。
・牛乳は豆乳やオーツミルクなどお好みのものに置き換えても大丈夫です。

子どもが風邪をひいてしまった時の食事の摂り方

免疫力を下げる食習慣として注意したいのが、冷たいものの取り過ぎと食事のリズムの乱れ。3食のリズムが乱れると消化吸収能力が下がったり、腸の働きが悪くなったりする原因にも繋がります。

もしもお子さんが風邪や感染症に罹ってしまった場合は、回復の段階に合わせた食事を摂ることが大切です。熱が出て何も受け付けない時は、脱水症状に気を付けてスポーツドリンクを薄めたものを飲ませてあげましょう。

多少ものが食べられるようになったら、柔らかく茹でたうどんやお粥、野菜や果物をすりおろしたものを。咳き込んでいる場合は、少しとろみをつけてあげると飲み込みやすくていいかもしれません。もう少し回復してきたら、油の少ないタンパク質が食べられます。卵を食べるのはこの段階からがおすすめです。

病気の時の食事の考え方は、赤ちゃんの離乳食と同じです。最初は柔らかく煮たお米など、次に野菜や果汁、その後に卵などのタンパク質という順序。弱った体が食べ物を受け入れられるよう、ステップを踏んでいくイメージで考えてみてください。

 

 

小島 香住

kojima kasumi

野菜ソムリエプロ|管理栄養士

野菜ソムリエプロ、管理栄養士。食品メーカーで営業、商品企画開発、メニュー開発などを経て、野菜ソムリエプロとして活動を開始。WEBサイトやSNSなどで、野菜や果物を手軽においしく食べるための情報を発信するほか、セミナー講師としても活動中。3歳男の子のママ。