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子どもの嫌いな野菜ランキング1位「ピーマン」…野菜嫌いの克服法とおすすめレシピ【栄養士解説】
2022年8月24日 9:00
子どもの野菜嫌いに悩まない親御さんはいない、といっても過言ではありません。
「野菜が食べられないと栄養が偏るのでは?」「このまま野菜を食べずに大きくなったらどうしよう」など、さまざまな心配があるでしょう。また、せっかく栄養バランスを考えた野菜の料理を作っても、毎回手を付けられないと作る気力も失われてしまいますよね。
では、具体的にどんな野菜が子どもに敬遠されるのでしょうか。今回は子どもが嫌いな野菜ランキングを紹介するとともに、食べやすくするための方法、おすすめレシピを紹介します。
~目次~
やっぱり嫌いな野菜はアレ?嫌いな野菜ランキング5選
カゴメが2018年に調査した「子どもが好きな野菜・嫌いな野菜ランキング」を1位から5位まで見てみると、
1位 ピーマン
2位 なす
3位 しいたけ
4位 ねぎ
5位 小松菜
という結果になりました。やはりピーマンは苦味や青臭さが気になり、苦手とする子どもが多いようです。続いてランクインしたのは、なす。アクや皮の固さ、特有の食感に苦手意識を持つ子どもが多いようです。しいたけは風味、ねぎは辛味、こまつなは苦味やエグ味が苦手な理由として考えられます。
なぜ子どもは野菜が苦手?
子どもは味蕾(みらい)という味を感じる舌のセンサーが多く、その数は大人の3倍と言われています。味に対して敏感なので、大人はどうってことはない味でも、子どもには強く感じてしまうのです。特に、苦味は自然界では毒物のサインなので、本能的に敬遠してしまうのでしょう。
野菜嫌いを克服する4つのアイデア
野菜の風味は本能的に苦手なものなので、仕方のないことではありますが、親としてはまったく食べないのも気になりますよね。そこで、野菜を少しでもおいしく食べられるアイデアを4つ紹介します。
1.加熱調理をする
野菜の青臭い風味は、加熱をすることで和らぎます。加熱によって食感も変わるので、苦手な食材こそ加熱してみましょう。特に、ピーマンなどの苦味は油を使って調理をすることで、苦味成分が溶けだします。
2.代替の野菜を試してみる
たとえば、ピーマンが苦手な場合は、パプリカでも代用できます。パプリカはピーマンより苦味が少ないのに、栄養価はピーマン以上です。ほかにも、生のトマトが苦手ならトマトソースにする、しいたけの代わりにエリンギにしてみるなど、代わりの野菜で試してみるのもひとつの手です。
3.野菜の風味を感じさせない料理にする
野菜の風味が感じられなければ、より食べやすくなります。カレーに野菜を入れるのは代表的な方法です。ほかにも、ミートソースに入れる、お好み焼きに入れる、すりおろしてパンケーキやクッキー生地に混ぜてみるなど、野菜の風味が隠れやすい料理に混ぜ込むのもいいでしょう。
4.青臭さは塩もみで対処
野菜の青臭さは、塩もみで軽減されます。塩もみ後はしっかりと水気を絞るのもポイントです。オクラやきゅうり、キャベツなど青臭さが気になるものは塩もみをして下処理しておきましょう。
<栄養士おすすめレシピ>苦手なピーマンが食べられる!ピーマンの肉詰めフライ
嫌いな野菜ランキング1位のピーマンを、おいしく食べられるレシピを紹介します。
「ピーマンの肉詰めフライ」
ピーマンの形が残っていて、いかにも敬遠されそうな料理ですが、油で揚げることでピーマンの風味が感じられなくなり、意外なほど食べやすくなります。また、衣の食感や肉の風味でピーマンの存在感が薄れるのもポイントです。形のあるピーマンを食べられると、子どもの自信にもつながりますよ。
【材料(4人分)】
ピーマン…4個
小麦粉…適量
合いびき肉…200g
塩こしょう…少々
パン粉…大さじ3
牛乳…大さじ1
卵…1/2個
ケチャップ…大さじ1
ナツメグ…少々
★小麦粉…大さじ3
★卵…1/2個
★水…大さじ1
パン粉…適量
油…適量
ケチャップ…適量
お好みソース…適量(1:1の比率がおすすめ)
【作り方】
下準備
・★の材料をよく混ぜてバッター液を作る。
・揚げ物用の鍋に油を入れ、180℃に余熱をしておく。
1.ピーマンは縦半分に切り、種とヘタを取っておく。ピーマンの内側に軽く小麦粉をまぶしておくと、肉だねがはがれにくくなる。
2.ボウルにパン粉と牛乳を入れ、ふやかす。そこに合いびき肉と塩こしょうを加え、粘りが出るまでよく混ぜる。
3.2に卵、ケチャップ、ナツメグを加えたら全体がなじむまでよく混ぜる。混ざったら肉だねを8等分する。
4.ピーマンの内側に肉だねを詰め、バッター液、パン粉の順につけて、180℃に熱した油できつね色になるまで揚げる。
5.ケチャップとお好みソースを1:1の割合で混ぜ、上からかけて完成。
【ワンポイント】
・肉だねの中にチーズを入れるのもおすすめです。
・どうしても苦味が気になるなら、パプリカで挑戦するのもおすすめです。
・ソースはたっぷりめにかけると、より食べやすくなります。
野菜を食べられた経験は野菜嫌いの克服につながる
味覚が敏感な子どもは野菜を苦手とする場合も多いのですが、一度食べられると自信がつき、克服できるケースもあります。野菜の風味や食感を消すような調理をして、少しでも食べやすくしてみましょう。
もし、あの手この手を使っても、野菜が食べられない場合もあるかもしれません。しかし、無理やり食べさせるのは禁物です。かえって野菜に対する嫌悪感が増すだけなので「3回中1回、ひと口でも食べればOK」というように、小さな目標からはじめてみてくださいね。
端場愛
hashiba ai
栄養士
寮生の栄養管理、老人保健施設、内科・整形外科などで経験を積んだ後、フリーの管理栄養士兼ライターとして活動。学生から高齢者まで幅広い世代の栄養管理に従事。今日より少し健康になれるレシピを開発したり、体と栄養の関係について多くの人に伝えたりするために、コラム執筆、本の執筆協力などを行っている。