子育てコラム #トイレトレーニング

トイレトレーニングはいつから?上手な進め方とうまくいくコツ

2022年5月30日 16:27

2歳前後から気になり始めるトイレトレーニング。周りがトイレトレーニングをはじめると、そろそろうちの子も…と焦るお母さんも多いはず。

そもそもトイレトレーニングはいつ頃から始めて、どのように進めれば良いのでしょうか? 今回はトイレトレーニングの開始時期や準備、進め方などを紹介します。

脳と体の成長に合わせたトイレトレーニングとは

「いつ、おむつがはずれるか」というのは、お母さんにとって気になるところです。

昔は「できるだけ早くはずれるのがよい」と思われていましたが、最近ではその子の成長に合わせて、最もよいタイミングを待つ考え方が浸透してきたようです。

親が主導せず、子どもの心身の成長とともに自然にできるようになるということから、近年では「おむつはずし」ではなく「おむつはずれ」という言葉が使われています。

当然のことながら、「排泄」には体の発達が大きく関係し、体をコントロールできる脳の発達も必要になります。ですから、単に「~歳になったからできる」というものではありません。

まずは、トイレが一人でできるようになるまでの、脳と体の成長について知っておきましょう。

トイレトレーニングを始めるポイントは「一人でトイレに座れる」「膀胱機能の発達」

おしっこは腎臓でつくられ、膀胱にたまります。膀胱がおしっこでいっぱいになると、その情報が脊髄の中にある神経系を通り、脳に伝達されます。

大脳がその情報を受け取って「おしっこしたい」と感じ、「おしっこを出せ」という指令を出します。その指令が再び神経系を通って膀胱に伝わり、ここではじめておしっこが出るのです。

体の発達から考えてみると、トイレトレーニングを始めるには、一人でトイレに座れるようになり、膀胱の機能が発達している必要があります。

膀胱の機能の発達は、おむつ替えの時に判断できます。おしっこの間隔が長くなり、「おむつ替えのときに濡れていない」あるいは「1回のおしっこの量が多くなった」などが成長のサインです。

一人でおしっこができるまで

また、「おしっこやうんちはトイレでする」という感覚を身につけて実行するには、脳が体に行動を指令として出せるようになっている必要があります。

1歳半ごろになると、大脳皮質が発達し、膀胱におしっこがたまる感じが少しわかるようになりますが、おしっこを出す指令とは結びついていません。

1歳後半になると、膀胱が大きくなり、おしっこをだいぶためられるようになってきます。おしっこの間隔があき、一定のリズムができてきます。

2歳前後には「おしっこをしたい」という感覚が自分でもわかるようになり、出たことを親に教えられることもあります。

3歳頃になると、「おしっこをしたい」と感じたら自分からトイレに行けるようになったり、トイレでできる回数が増えたりしますが、まだ完璧とはいえません。時間をかけて、徐々に日中のおしっこをトイレでできるようになります。

このように、生後数年をかけて、一人でおしっこができるようになっていきます。年齢や体の成長だけではなく、脳の発達も合わせてタイミングを見守ってあげるようにしてください。

トイレトレーニングの具体的な方法

まず、トイレトレーニングの基本は、くり返し行うこと。

今までは、いつでもどこでもできていたおしっこやうんちが、決められたタイミングでしかできないというのは、子ども自身には大きな変化です。失敗しても決して叱らない、嫌がるときは無理にさせずゆっくり取り組むことが大切です。

具体的なトレーニングとしては、トイレやおまるといった「場所」に興味を持ち、おしっこが出たらそわそわしてお母さんの側に来るなどの行動が見られるようになったりしたら、「ここでおしっこやうんちをするんだよ」「今日はトイレにおすわりしてみようか」などと声をかけて、子どもにトイレを意識させてみましょう。

そして、「そろそろトイレかな」というタイミングでトイレに連れて行ってあげましょう。子どもがトイレに行きたがったときは、出なかったとしても座らせて練習させてあげてください。

通常の便座に付けて使う「補助便座」を準備したり、トイレに踏み台を置いて自分で座れるようにしたりすると、子どもにとっての使いにくさが解消されます。

そのほか、日頃から服や下着の脱ぎ着、特にズボン・パンツの上げ下ろしを手伝いながら練習させておくのも役立ちます。

先輩ママが教えるトイレトレーニングの工夫と失敗したときの言葉かけ

トイレトレーニングについてお母さんたちにお話を聞くと、こんなアイディアを教えてくれました。皆さん、工夫に溢れていますね。

トイレトレーニングのアイディア
・トイレでできたら、カレンダーにシールを貼るようにした。
・トイレに行く内容の絵本を使って教えた。
・トイレに入りたくなるように飾りつけをした。
・好きなキャラクターのパンツをはかせたら、汚したくないのか失敗が減った。

トイレトレーニングには失敗がつきものです。「どうしてできないの?」「だめじゃない」「あーあ、ママがっかり」などと子どもを責めずに、「おしかったね、あとちょっとだったよ」「だいじょうぶ。がんばったね。次はできるよ」とどんな小さなことでもいいので褒めてあげましょう。

トイレトレーニングは一朝一夕に身につくことではありませんが、子どもは必ずトイレに行けるようになります。時期がきたら、親子で楽しく始めてみてください。

大坪可奈

幼児教室コペル代表講師・ペアレントセラピスト主宰

幼児教室コペルの代表講師として、30年間で10,000人以上の子どもたちとお父様・お母様を指導。近年は、日本全国や中国での『幼児教育の重要性』を伝えるセミナーが人気を集めている。 「子どもが自立するまでは親からのサポートが必要であるように、親が子育てを学び実践するまでは専門家からのサポートが必要だ」という信念に基づき、日常で実践できるようなほめ方・しかり方や、ケースバイケースの指導を大切にした母親勉強会も評判。 現在も、新宿ミライナタワー教室で、胎教・ベビーコースを行い、幼児教育を通じて、幸せな親子が増えて世の中がよくなることを願っている。 著書「自己肯定感を高める最強の子育て」(PHP出版)