子育てコラム

幼少期のテレビによる発達への悪影響とは?

2021年12月14日 5:00

幼少期からのテレビの悪影響

幼少期からテレビにさらされた子どもは、小学4年生前後になって、健康を害しやすく、学業成績や社会性の発達にも悪影響が出ると警告する報告が、カナダで発表されました。

1,314人の追跡調査によると、生後29ヵ月の時点で、視聴時間数が増えるごとに、後年、出席率や体を動かす時間の減少、算数の学力低下などが見られることがわかりました。

逆に、テレビの視聴時間数が長いほど増えるものは、いじめや、ソフトドリンクやスナックの消費量でした。また、視聴時間の長かった子のほうが、そうでない子と比べ、10歳になる前にすでに体脂肪が多いという結果となりました。

米国小児科学会による指針

米国小児科学会(AAP)でも、子どものテレビ視聴に関する研究のうち、テレビ視聴が言語発達の遅れに結び付く可能性を示したものが複数あると指摘して、2歳まではテレビを見せないようにすべきだとの指針を出しています。

指針をまとめたブラウン氏は、「指針の改定は、0~2歳児をターゲットにしたDVDが増えている現状からも必要だった」と話しました。

発表では、2歳以下の赤ちゃんにビデオを1時間見せるごとに言葉が6~8語遅れるという結果が出ています。

1日1時間視聴するとしたら、1年でどれだけの言葉が遅れるのか計算すると、心配になってきますね。

幼少期からのテレビの悪影響

日本小児科学会でも、このようなテレビの悪影響にほとんどの親が気づいていないことが示され、下記の提言が出されました。

1.2歳以下の子どもには、テレビ・ビデオを長時間見せないようにしましょう
内容や見方によらず、長時間視聴児は言語発達が遅れる危険性が高まります

2.テレビはつけっぱなしにせず、見たら消しましょう

3.乳幼児にテレビ・ビデオを一人で見せないようにしましょう
見せるときは、親も一緒に歌ったり、子どもの問いかけに応えることが大切です

4.授乳中や食事中はテレビをつけないようにしましょう

5.乳幼児にも、テレビの適切な使い方を身につけさせましょう
見終わったら消すこと、ビデオは続けて反復視聴しないこと

6.子ども部屋にはテレビ・ビデオを置かないようにしましょう
今回の調査結果は、映像メディアからの一方的な働きかけだけでは、子どもの言語能力が発達しないことを裏付けています。

テレビ・ビデオの活用は、節度を持っておこないたいですね。

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