子育てコラム

「過保護」や「甘やかし」が実は子どもの自立を早める理由とは

2021年12月14日 5:00

過保護で自立が早まる?

皆様は「過保護」というと、どんなイメージを持っておられますか? きっと「甘やかし」「自立できない」といったネガティブなイメージなのではないでしょうか。

今回は「過保護」「甘やかし」の是非について考えてみたいと思います。

過保護とはどういう状態?

「過保護」とは子どもを大事にし過ぎる、子どもに対して厳しさに欠けるという状態のことです。「甘やかし」=「過保護」という考え方です。では子どもは厳しく育てたほうが、強く賢い子に育つのでしょうか?

「過保護」は悪い育児の代名詞のようになっていますが、子どもは母親を通して、心の発達でもっとも大切な自分が生まれてきた世界への基本的信頼感と、自分の存在に対する自信を獲得して成長していくのです。

そのためには自分の欲求がしっかり受けとめられ、愛され保護される必要があります。

過保護が自立を早める

子どもの欲求に存分に答えてやると、子どもは満ち足りて自立が早まると言われています。

よく赤ちゃんがえりといわれますが、それも一時のことで、愛情を感じ甘えさせてもらえると、すぐに以前のように戻っていきます。

欲求が長びくんじゃないか、自立が遅れるんじゃないかと思いがちですが、かえって自立が早いのです。「過保護」は自立の芽をしっかり育て土台を作ります。

“過保護”で自信と信頼感がつき、自立が早まる

児童精神科医の佐々木正美先生は「過保護はちっとも悪くありません」といい、むしろ子どもの自立が早まると以下の様に説明しています。

「過保護といえば、いつまでもおっぱいを飲みたがったり、自分でできるのに着替えさせてもらいたがる子が例としてあげられがちで、親としては、焦ってしまいますよね。
ところが『子どもは自分の望んでいるいろいろなことを思いどおりにしてもらうと、ある時期にはもう満ちたりて、どんどん自立していくものです』」と佐々木先生は説いています。

自分が求めることに、親が応えてくれる。そうすると子どもに信頼感と自信がつき、しっかり自立できるのですね。

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