インタビュー

離乳食を口から出してしまうのはなぜ?原因&対策を解説【栄養分子学アドバイザー監修】

2023年11月10日 10:25

多くの親御さんにとって子育て初期の山場となるのが離乳食。思うように食べてくれないお子さんに苦労している方も多いのではないでしょうか。せっかく作った食事をベーっと吐き出されることの切なさと言ったら…。

そこで今回は栄養分子学アドバイザーあいかさんに、離乳食を口から出してしまう理由やその対処法について伺いました。

離乳食を始めるサインは?

①:食べ物に興味を示すようになる
②:よだれの量が増える
③:支えてあげれば座ることができる

お子さんにこのような様子が見られたら、離乳食を始めてもいい頃になります。これが一般的には5か月から6か月頃と言われていますが、サインが現れなくても決して慌てる必要はありません。お子さんの状態に合わせて離乳食を始めてあげることが大切です。

離乳食の進め方は?

離乳食は初期、中期、後期、完了期と4段階に分けて進めていきます。それぞれの段階の目的と食べ物の固さをご紹介します。

■初期/ごっくん期

ごっくん期と呼ばれる初期は、母乳やミルク以外のものを飲み込む練習をします。お米や野菜、お肉、魚などもできるだけなめらかなペースト状にして飲み込む練習をさせてあげましょう。

■中期/もぐもぐ期

もぐもぐ期と呼ばれる中期は、舌を使って食べ物を潰す練習をします。大きさはみじん切りくらいで、舌で潰せるくらいの柔らかさにしたものを与えてあげてください。

■後期/かみかみ期

かみかみ期と呼ばれる後期は、歯が生える前の歯茎で食べ物をかじりとったり、少し固めのものを噛む練習をします。お子さんによっては手づかみ食べに興味を示し、自分で口に食べ物を運ぶことができる子も出てきます。食べ物は歯茎で潰せるくらいの固さが目安です。

■完了期/ぱくぱく期

ぱくぱく期と呼ばれる完了期は、幼児食への移行の期間です。食材の大きさも1cm角くらいからもう少し大きめのものまで、自分の手で持ってかじり取って食べられる子が増えてきます。きゅうりのようなシャキシャキする食感のものも楽しめるようになり、食べ物のバリエーションが広がっていきます。

補完食の考え方も参考に

WHO(世界保健機構)が乳幼児向けの食事のガイドラインとして「補完食」というものを提唱しています。補完食とは、母乳だけでは不足する栄養を補うための食事のことです。従来の離乳食の考え方と似ている部分もありますが、離乳食と比べると食材のルールが柔軟です。食事回数も初期のころから2回が推奨されていたりと、柔軟に対応ができます。

日本の離乳食の進め方はとても細かく決められているため、思うように進まないと不安に思う方もいらっしゃいますが、実はもっと柔軟に考えてもいいということを覚えておくと親御さんの気持ちも楽になると思います。

離乳食を口から出してしまう理由と対処法

お子さんによってさまざまな理由があると思いますが、大きくは次の2つが考えられます。

■離乳食の固さがイヤ。飲み込めない

比較的初期の頃に多いのが、うまく飲み込めなくてベーっと出してしまうパターンです。その子の発達段階に合わせた柔らかさや形状にしてあげてください。

■離乳食の味がイヤ。苦い、酸っぱい

赤ちゃんは本能的に酸味や苦味を嫌います。そのような味が強い食材は赤ちゃんがびっくりして出してしまうことが多いと思います。この場合は、出汁などで少し旨味を足してあげたり、粉ミルクなどでポタージュ状にして、苦味や酸味を和らげてあげると食べてくれるかもしれません。

口の中に指を入れて離乳食を出してしまう理由は?

1歳が近づいてくると口の中に指を突っ込んで離乳食を出してしまう行為も見られます。この場合も味がイヤだったり飲み込みづらいというのが大きな理由になります。対処法も基本的には同じで、お子さんをよく観察して、もう少し柔らかくしてあげたり、食べやすいように味に工夫をしてあげてください。

どうしても離乳食を食べない子はどうしたらいい?

固さや味を変えてみても食べないこともあると思います。そんな時、親御さんはあまり悩みすぎず次のように考えてみてください。

■一旦、口に入ればよしとする

離乳食は赤ちゃんがいろいろな味に触れていく経験です。たとえ口からベーっと出してしまったとしても、その味に出会ったということになります。何度も挑戦していくうちに慣れて食べられるようになることもあるので、少しずつ挑戦していければ問題ありません。

■食べられるもので栄養を補う

たとえば野菜が苦手で食べない場合、同じ栄養素は果物でも摂ることができます。食物繊維は雑穀や海藻にも多く含まれていますので、食べられる食物で栄養を補っていけば問題ありません。また栄養が強化されたフォローアップミルクもおすすめ。そういった便利なものもどんどん利用してみてください。

■食事を楽しいと思わせる

お子さんにとっても食事は楽しい時間だと思ってもらえることが一番大切だと思います。そのためにも好きなものをメニューに取り入れ、楽しみながら新しい味にも挑戦することを促してあげてください。

噛む力を育てるために注意したいこと

離乳食がうまくステップアップできない子の中には、口腔発達に問題を抱えているケースもあります。特に近年は『口腔機能発達不全症』といって、うまく噛めない、飲み込めない、口呼吸など、お口の機能になんらかの問題を抱えている子どもが増えています。

ポイント1:母乳で顎の力を育てる

噛む力を育てるには、顎の発達をサポートしてあげることが大切です。顎の発達は哺乳の段階から始まっていて、一般的には哺乳瓶よりは母乳の方が顎の力を育てやすいとも言われています。

ポイント2:ストロー飲みよりコップ飲みに

また離乳食期の早い段階でストロー飲みに慣れてしまうと間違った舌の使い方を覚えてしまい、口腔発達の妨げになるとも言われています。生後7・8ヶ月になった頃からコップのみのトレーニングを開始することをおすすめします。

ポイント3:ベビーフードは柔らかすぎるので上手に活用

ベビーフードはとても便利ですが、顎の発達という観点から見ると少し柔らかすぎるので、ベビーフードばかりにならないよう上手に利用しましょう。

離乳食を食べてくれないと悩むパパママへ

離乳食は噛んで食べるという学習行為とも言われています。赤ちゃんは放っておいても勝手に食べられるようになるものではなく、段階を踏んで食べる学習をしていかなくてはいけません。うまくいかなくて当たり前ですし、失敗しながら少しずつ少しずつ進んでいければいいと思います。

SNSなどで他のお子さんの姿と我が子を比べて悩んだり落ち込んだりする親御さんもいらっしゃいますが、ぜひご自分のお子さんをしっかり見てあげてほしいなと思います。離乳症を吐き出してしまう理由にしても、目の前のお子さんがどんな状況なのかよく観察することで何か解決の糸口が見つかるかもしれません。あまり深く悩みすぎず、まずはお子さんに向き合っていただければと思います。

あいか

aika

分子整合栄養医学普及協会 認定アドバイザー

愛知県出身。分子栄養学アドバイザーで1児のママ。自身が体調を崩し様々な病院にかかる中で栄養療法に出会う。体調が改善していくうちに食に対する意識が大きく変化し、本格的に分子栄養学を学ぶ。「日常に取り入れやすい」をモットーに子育てに役立つ情報や離乳食のレシピなどを発信している。

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