子育てコラム
人間の赤ちゃんが未熟に産まれてくる理由とは
2021年12月14日 5:00
赤ちゃんや幼児は分別のない未完の存在?
赤ちゃんや幼い子どもは、理不尽で自分本位、分別のない未完の大人だと考えている人は、多いと思います。
かつて多くの心理学者は、子どもは何もわからない存在だとみなしていました。赤ちゃんについての誤解は、子どもが、十分にしゃべれないことが原因にあったと思われています。実際、4歳以下の幼児の会話は、不可解な内容が多いですし、5~6歳の子どもですら、自分の考えを言葉で表現するのが上手いとは、言い難いですよね。
では、赤ちゃんとは、ただ未熟なだけの存在なのでしょうか?
人間の持つ長い幼年期の理由
人間以外の動物は、生まれて間もなく自立して歩き、1年もすれば、立派に群れの一員となります。しかし人間は、他の動物に比べ、幼年期がとりわけ長い動物です。
一見すると、無力な期間が長ければ、生存に不利なように思えますが、この未熟な赤ちゃん、幼児である期間が長いのは、なぜなのでしょうか。それは、人間の学習能力の高さとも関係しています。
最近の研究から、子どもは予想以上にさまざまな知識を持ち、科学者のような方法を使って、周りの世界について学んでいることが、明らかになってきたのです。
長い幼年期は、学習や創造に必要な脳の神経回路を築くのに必要な期間として、進化の過程で設けられたといえます。
今回は、その驚くべき能力と最新の幼児教育分野について、解説したいと思います。
神経科学の研究からわかってきた赤ちゃんの驚くべき能力
近年の神経科学の技術と研究から、赤ちゃんには、驚くべき能力が備わっていることがわかってきました。
大人になれば、1つの言語を覚えるのに非常に苦労するのに対し、赤ちゃん、幼児の期間は、急速に多くの知識・能力を身につけていきます。なぜ、これだけのスピードでの学習が、可能なのでしょうか。
カリフォルニア大学バークレー校のアリソン教授は、赤ちゃんや幼児の話の内容ではなく、行動に注目するという手法により、色々なことを解明してきました。
これまでは、これほどたくさんのことを、どうやって素早く正確に学んでいるかは謎でしたが、赤ちゃんには、特に統計パターンに基づいて学習する優れた能力があるというのです。
赤ちゃんの優れた統計パターンの認識能力
赤ちゃんや幼児は、統計の標本と母集団の関係を理解していて、自分の統計分析に基づいて、周囲の世界についての理論を組み立てているというのです。
たくさんの学習量が脳のなかに入ってくると、自分のなかで論理を組み立てて、それが質に変わっていくというわけなのです。
赤ちゃん、幼児の時期に、多くの情報に触れさせるということが、より高い成長のために重要だということが言えますね。
この貴重な期間を逃さず、最大限に活かしきる教育を、コペルは心がけています。
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