子育てコラム

ニート率、犯罪率が高まる危険のある子育てとは

2021年12月14日 5:00

人格教育のスタートは自尊感情を育むこと

自尊感情という言葉を聞いたことがあるでしょうか。似た意味の言葉に自己肯定感というのもあります。

自尊感情が高い人とは、ちょっとやそっと失敗しただけでは揺るがない、強い自分をもっている人のことです。失敗にめげず、「自分ならできるはず」と、粘り強く取り組むことができる人のことです。

日本の職業訓練センターが、ニートの問題を調査している際に、ある発見をしました。能力を持っているのに、それを発揮しようとしない子どもがいるということです。

その原因をさらに詳しく調べてみると、彼らには共通して自尊感情、「自分は価値がある」「自分のことが好きだ」と思えるような感情が欠落しているということが明らかになりました。

自尊感情を持たない子どもは、どんなに優れた能力を備えていようとも、その能力を発揮することができないのです。

その自尊感情を育てるには幼児期が最も重要であることはご存知ですか?

子どもの自立を目指した「スポック博士の育児書」とは

第二次世界大戦後のアメリカでは、子育てを楽にする方法を唱えた「スポック博士の育児書」という本が大流行するようになりました。

「スポック博士の育児書」のなかに書かれていたのは、次のような内容でした。

・子どもを自立させるために、幼いころから一人部屋を与えましょう
・子どもを自立させるために、子どもが泣いてもそっとしておきましょう

人手不足だった当時のアメリカでは、子育てが楽になれば女性の労働力が確保できると考え、国を挙げて「スポック博士の育児書」を子育てのバイブルとして推奨したのです。

この育児書を信じたアメリカの母親たちは、子どもの自立心が育つことを願って、赤ちゃんを子ども部屋に閉じ込めました。泣いても抱きしめてあげることはやめ、放っておくようになりました。

スポック博士の育児書の失敗

戦後20年が経過して、アメリカの犯罪率の爆発的な急増が社会問題となりました。

原因を調査したところ、「スポック博士の育児書」が唱える育児法で育てられた世代の子どもたちは、非常に自尊感情が低い状態にあるということがわかりました。彼らが大人になって、犯罪率の急増を引き起こしていたのです。

どんなに泣き叫んでも、子ども部屋に一人で放っておかれた子どもたちは、自分の価値を信じることができませんでした。彼らの心には自尊感情が育たず、「自分は必要とされていない」というトラウマが強く残ってしまったのです。

自尊感情の欠如は意志の弱さにつながります。彼らは強い意志で自分を律することができずに、麻薬やアルコールに依存し、犯罪率が急増してしまいました。

自尊感情の欠如は、社会問題を引き起こしてしまうほどに、人間の心に大きな影響力を持っているのです。

自尊感情を高めるために大事なのは「無条件の愛」

それでは、自尊感情を育てるためには、どうすればよいのでしょうか?

まずは無条件の愛を与えて、子どもを尊重して育てることです。これは、「あなたがあなただから大好きよ」という風に、子どものありのままの姿を認めてあげることが大切です。

コペルでも、教育をおこなううえで最も重要視していることは人格教育です。人格教育とは、すなわち子どものセルフイメージを正しく育ててあげるということです。

子どもの自尊感情を育ててあげましょう!

どうしたら自尊感情は育つのか?

コペルが提唱する子どもを育てる5つのポイント

1.無条件の愛を与え、子どもを尊重して育てる。
2.子どものなかに必要な力があると信じる。
3.一緒に喜び、一緒に感動、暖かく見守る。
4.知育に偏らず、徳育(道徳面の教育)を大切にする。
5.あるがままの姿を認めて、比較をしない。

子どものありのままの姿を認めてあげましょう。自尊感情が育ち、子ども自身が「自分は価値がある」「自分のことが好きだ」と思えるようになると、何事に対しても積極的にチャレンジし、様々な体験を積み重ねていくなかでさらに自信がつき、将来の可能性がどんどん広がるのではないでしょうか。

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