インタビュー #食事・栄養

【栄養士監修】離乳食はいつから?初期~完了期までの進め方&ポイント!

2023年1月18日 11:10

赤ちゃんの成長過程で必要なもののひとつが離乳食。でも、なかなか食べてくれないなど、苦労されている方も多いのではないでしょうか。そんな離乳食にまつわる心配事や疑問について、管理栄養士で野菜ソムリエプロの小島香住さんにお話を伺いました。

そもそも「離乳食」とは?なぜ必要なの?

離乳食とは、文字通り母乳やミルクなどの乳汁から離れるための食事です。赤ちゃんの成長に伴い、乳汁による栄養摂取から食品による栄養摂取へ移行するために、離乳食が必要になります。

その理由は大きく分けて二つあります。一つ目は行動面についてで、これまでは乳汁を吸うだけだったのが、噛みつぶして飲み込むという動きをすることで、摂取機能の発達が促されます。また、噛むと唾液や消化液の分泌が増えるため、消化機能の発達にもつながります。さらには、食べることの楽しさも学べるとよいでしょう。

二つ目は栄養面です。6ヵ月頃から母乳やミルクだけではさまざまな栄養やエネルギーが不足してしまいます。それを離乳食で「補完」することで成長に必要な栄養を補います。

離乳食はいつからはじめる?

目安となるのが月齢で、生後5ヵ月から6ヵ月くらいが離乳食を始めるタイミングだといわれています。体の発達面では、首がすわっていることと腰がすわっていることが必要で、これはひとり座りができなくても支え座りできればOKです。

離乳食をスプーンなどで口に入れても嫌がらないことも目安の一つです。口に異物が入ることを嫌がる子は、無理をせず、嫌がらなくなってから始めるとよいでしょう。

また、厚生労働省が出している「授乳と離乳の支援ガイド」の中で紹介されている具体的な離乳のサインも参考にしてみてください。

成長の段階に応じた離乳食の進め方

■初期(生後5〜6ヵ月):「ごっくん期」

離乳食の初期(生後5〜6ヵ月)は「ごっくん期」といわれるように、まず飲み込むことができるようペースト状の離乳食を用意します。食材は、体に一番必要なエネルギー源である炭水化物からはじめましょう。お米を10倍粥に炊いて粒をペースト状にし、重湯にしてあげます。

お米が食べられたら、芋類、野菜、タンパク質の順番に食材を追加していきます。基本的には全部お湯で伸ばしてペースト状にします。お湯の代わりにだしを使う場合は昆布だしから始めましょう。かつおなどタンパク質が材料のだしは、食材としてタンパク質が食べられるようになってから使います。

■中期(生後7〜8ヵ月):「もぐもぐ期」

中期(生後7〜8ヵ月)の「もぐもぐ期」になると、舌でつぶせる固さの離乳食にして、咀嚼する練習をします。煮込んだニンジンなど、豆腐くらいの固さが目安です。初期の離乳食に比べると形があるので、とろみをつけてあげると飲み込むときに喉に引っかかりにくいのでお勧めです。

■後期(生後9〜11ヵ月):「かみかみ期」

後期(生後9〜11ヵ月)は「かみかみ期」で、歯茎で固形物をつぶす練習をしていきます。これまで2、3ミリ角のみじん切りにしていたものを5ミリ角くらいにしてみましょう。バナナくらいの固さが目安です。また、少し深いスプーンを使うことで、唇の動かし方や自分で口を閉じて食べるという感覚を育てることができます。

■完了期(生後12〜18ヵ月):「ぱくぱく期」

完了期(生後12〜18ヵ月)では、食パンの柔らかい部分や赤ちゃん用のおやつなどを手でつかんで食べられるようになります。ご飯もおかゆから軟飯へステップアップしていきましょう。

離乳食の進め方のポイント・注意点

・離乳食の順番は「お米」→「芋類」→「野菜」→「タンパク質」

離乳食はお米からはじめて、芋類、野菜、タンパク質と消化に負担がかかりにくい物から進めていきます。野菜の中でも、にんじんやカボチャなど柔らかくて甘みが強いものからはじめ、ゴボウなどあくの強いものや、きのこのように食物繊維が多いものは後回しにしましょう。

・離乳食に「油」や「調味料」は無理に使わない

タンパク質は豆腐からはじめて、魚は白身、赤身、青身の順、お肉はささみからというように、脂っこくないものから離乳食に加えていきます。離乳食には基本的に油は使いません。また、塩や砂糖などの調味料は後期以降、少量であれば使ってもかまいませんが、赤ちゃんは食材本来の味を味わうことができるので、無理に使う必要はありません。

・新しい食材を試すときは「平日午前中」がベスト!

大豆や卵などアレルギーが心配な食材は、離乳食にだいぶ慣れてから試してみる方がよいでしょう。もっとも、小麦のように多くの食材に使われているものについては早めにアレルギーかどうかが分かったほうが後々の献立を考えやすいので、少量ずつ試し、アレルギーが出た場合には病院で相談しましょう。

新しい食材を試すときは、もしも体調に変化があった場合に対応できるよう、病院が開いている平日の午前中に行うことが大切です。ぜひ忘れないようにしてください。

・機嫌や体調がいいときに食べさせることが大切

この時期の赤ちゃんは食べたり食べなかったりが激しい時期なので、離乳食をどのくらい食べさせればよいのか心配になる方も多いかもしれません。しかし離乳食の量に関しては、乳汁で栄養を補完できるので、バランスよく離乳食が食べられていて身長・体重が増えていれば、それほど神経質にならなくても大丈夫です。機嫌や体調がいいときに離乳食を食べさせることが大切で、子どもが嫌がるようなら一日あけてみるなど、無理のないように進めましょう。

・消毒などの衛生管理を徹底!

赤ちゃんはまだ細菌への耐性がありません。とくに初期では、食材の洗浄や加熱調理、調理器具の消毒など衛生管理をしっかりと行うことも注意点のひとつです。

お子さんのペースで進めれば大丈夫

同じ月齢のお子さんでも、離乳食がちゃんと食べられる子もいれば、全然食べられない子もいます。インターネットなどには食べられる子の情報があふれているので気になると思いますが、お子さんのペースで進めれば大丈夫です。

無理な場合は中断したってかまいません。いつかはみんな必ず食べられるようになります。身長・体重が増えていなければ、フォローアップミルクなど利用できるものはうまく利用して、焦らず離乳食を進めていただければと思います。

小島 香住

kojima kasumi

野菜ソムリエプロ|管理栄養士

野菜ソムリエプロ、管理栄養士。食品メーカーで営業、商品企画開発、メニュー開発などを経て、野菜ソムリエプロとして活動を開始。WEBサイトやSNSなどで、野菜や果物を手軽においしく食べるための情報を発信するほか、セミナー講師としても活動中。3歳男の子のママ。