子育てコラム
幼児教育において重要な道徳観とは
2021年12月14日 5:00
母の深い愛情に支えられていた哲学者・カント
天才、偉人と言われる人々がいます。そんな子どもを持った親はどんな人だったのでしょうか。
ドイツの哲学者・思想家であり、ドイツ観念論哲学の祖として世界にその名を知られるイマヌエル・カント。彼の輝かしい功績は、母アンナの思い出に支えられたものであったと言われています。
カントは1724年に馬具職人の子として生まれました。カントの家庭は経済的には裕福ではありませんでしたが、立派な両親に囲まれた恵まれた幼年時代であったと言えます。
カントの母親は、典型的なドイツ女性であったと言われています。自分自身はきちんとした教育は受けていませんでしたが、自然とのかかわりのなかで息子に多くのことを教えました。
草花の名前を教えたり、一緒に夜空を見上げたり……。こんな小さな思い出の数々が、彼に大きな影響を与えたそうです。
そして、敬虔で慈愛に満ちた母アンナの生きる姿は、カントの道徳観に大きな影響を与えたと言われています。
母から受け継いだ道徳感
カントは道徳的な義務に忠実であることを、生涯を通じて体現した人でした。
カントの名言のなかにはこんなものがあります。
「いよいよわたくしが、賛嘆と畏敬してやまないものは、天上に輝く星座と、わが内なる道徳律」
この名言からは、母と築いた幼年期の思い出が彼の心に深く根ざしていることがよくわかります。そして、母から受け継いだこの道徳観はその後の彼の哲学の発展を支えていったと言われます。
彼は母のことをとても愛情をこめて話していたそうです。
「母のことは一生忘れることができません。
私の胸に初めて善のたねをまき、それを育ててくれたのは母でした。
また自然のさまざまなものについて私の心を向けさせ、いろいろと教えてくれたのも母でした。
母の影響は、生涯、私から消えないでしょう」
「偉人の背後には偉大な母がいた」とはよく言ったものです。
歴史に名を残す偉人とされるカントの功績も、母の愛情に支えられていていました。
母の愛の偉大さを感じずにはいられませんね。
【カントの言葉】
人間は教育によってのみ人間となる。
人間は教育されるべき唯一の存在である。
徳にとってまず要求されることは、自己自身を支配することである。
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