インタビュー #読書・絵本
絵本の効果的な読み聞かせのコツ&絵本選びの4つのポイント!
2023年6月4日 17:16
読み聞かせは、親子がふれあう大切な時間です。読み聞かせにはどんな効果があるのか、読み聞かせのコツや絵本の選び方など、元小学校教員・小学校司書で絵本の読み聞かせやおすすめ絵本の情報を発信している、えほんBBさんにお話を伺いました。
~目次~
絵本の読み聞かせのメリットとは
読み聞かせのメリット①:コミュニケーションの力がつくこと
本を一緒に読むと、親子の会話が生まれ、コミュニケーションの力を育てることができます。親子のあいだで育んだコミュニケーションの力は、家庭の外で友達や先生と会話をするときにも生きてくるはずです。
読み聞かせのメリット②:子どものことを理解してあげられること
絵本を通じて、親は子どもが「こんなことが好きなんだ、興味があるんだ」ということがわかります。一方、子どもは「お母さん、お父さんは自分のことをわかってくれているんだ」と感じることができるので、親子の信頼関係がより深まるはずです。
また、本を読むということは、嬉しかったり悲しかったり自分とは違う人の体験をすることでもあります。絵本には子どもの感性を育むメリットもあると考えられます。
読み聞かせは何歳から何歳まで行えばいい?
読み聞かせは何歳からでもOKです!絵本を見せて興味を持ったら、ぜひはじめてみてください。反対に、絵本を見せても興味を示さなかったら、もう少し期間をあけて待ってみてください。
読み聞かせは12歳まで、またはできるだけ長くというのが私の考えです。面白い本を読んでもらった経験がある子どもは、その大人の話に耳を傾けてくれるようになります。そのため、読み聞かせをしてもらった子どもは、反抗期を迎えてもコミュニケーションが取りやすくなるという話もあります。毎日ではなくてもいいので、小学生のあいだは親子の楽しみとして、読み聞かせを続けてもらえたら嬉しいです。
絵本選びの4つのポイント
1番重要視したいことは、こども本人にとって長すぎないものを選ぶことです。どんなに面白い本でも長すぎると、子どもは一気に面白さを感じなくなり、聞くのが辛くなってしまうこともあります。
この「長すぎない」というポイントを押さえた上で、次の①から4④のいずれかの観点から絵本を選んでみてください。
ポイント①:子どもや親が好きなもの
子どもたちが好きなもの、というのはもちろんですが、実は、読み手が面白いと思っていなければ、聞いている子どもたちもあまり面白く感じてはいません。これは多くの参考書にも書かれているアドバイスなのですが、私自身、読み聞かせを通じて実感してきました。時には読み聞かせをしてあげる親御さんが、面白いな、いいなと思った本を選んであげてください。
ポイント②:子どもが好きなもの、知りたいもの
たとえば、近々山に行くのであれば山についての絵本、虫取りに行くのであればカブトムシの絵本など、子どもがそのときに知りたいと思っている内容の絵本を読んであげるのもおすすめです。
ポイント③:子どもが経験したもの
実際に何かを経験した後に、それに関係する絵本を読んであげると子どもたちは喜んでくれます。たとえば初めてカッパを着て雨の中で遊んだあとには、「あめぽぽぽ」などの雨の絵本を読んであげてみてください。子どもたちの興味の持ち方が全然違いますよ!
ポイント④:年齢に応じたもの
年齢別の選び方では、子どもにその絵本に描かれた体験があるかないか、理解しているかどうかがポイントです。
たとえば「はっはっはくしょーん」というくしゃみの絵本は、3歳から5歳あたりの子どもは大喜びしてくれますが、0歳1歳の子どもはまだ面白さに気づけないことがあります。
読み聞かせのコツ
①絵本と実際の経験を結びつける
子どもの体験に関係のある絵本を読むときは、読み始める前に、「この前登った山みたいだね」「昨日食べたカレーと同じだね」などのように声掛けして上げると、子どもたちがより絵本に興味を持ってくれます。
読み終わったら、特別な声掛けをしてあげなくても「はい、おしまい」で大丈夫です!もし余裕があれば、そのあとで、たとえば雨が降ったら「絵本で見た雨と一緒だね」というふうに、絵本と実際の経験とを結びつけてあげてください。そうすることで、本を読むのが面白いと感じるようになったり、わからないことがあったときに本で調べる習慣につながっていきます。
②集中させて読み聞かせなくてもOK
また、読み聞かせのときには、いつもきちんと子どもの隣に座って、集中させて読み聞かせなくてもOKです!親が一緒に読みたいと思う本を、「面白そうだな」などと言いながら、子どものそばで1人で声に出して読んでみてください。子どもから聞きに寄って来てくれることもありますし、近くに来なくても子どもは意外と聞いていてくれています。
途中で読み終わったり、すぐ次の本へいってしまったりしても大丈夫。気楽な気持ちで読んであげるほうが、読み聞かせを長く楽しめるはずです。
年齢別読み聞かせにおすすめの絵本
0歳におすすめの絵本:「おつきさまこんばんは」
どーんと出てくるお月さまの大きな顔に子どもたちが笑ってくれます。0歳の子どもは大きな顔や赤い色のものが大好き。
1歳におすすめの絵本:
「こーちょこちょ」「くるりんぱくっ」
どちらも体験がベースとなって、子どもたちが楽しめる絵本です。
2歳におすすめの絵本:「ふうしてあそぼ」「おべんとうバス」
ふーっと息を吹いたり、「はい」と言えたり、できることが増えてくる時期におすすめです。
3歳におすすめの絵本:「はっはっはくしょーん」
くしゃみをする経験から、絵本の面白さがわかります。
4歳におすすめの絵本:「どっちのてにはいってるか?」
どっちの手に入ってるか、という子どもたちの大好きな手遊びを絵本で楽しめます。
5歳におすすめの絵本:「ながいでしょ りっぱでしょ」・「はかせのふしぎなプール」
「ながいでしょ りっぱでしょ」はニワトリの声をできるだけ長く読んであげてみてください!とても喜んでくれます。
「はかせのふしぎなプール」はクイズみたいで思わず答えたくなるお話です。自分の経験をもとに「これなんだろう?」と考えてみると興味しんしんでみてくれます。
読み聞かせは親子の素敵な思い出になる
読み聞かせは、毎日じゃなくてもいいし、最後まで読まなくても、子どもの近くで読むだけでもいいんです。ぜひ肩の力を抜いて、読み聞かせをしてみてください。
小さな我が子と一緒に本を読むというかけがえのない経験は、今この瞬間だけのものです。でも将来お子さんが大きくなったときに同じ絵本を開くと、きっとそのときの瞬間を思い出すことができます。親子が共有できる素敵な思い出を増やすという意味でも、ぜひ読み聞かせをお楽しみください。
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