インタビュー #ベビーマッサージ

【ベビーマッサージ専門家監修】ベビーマッサージはいつから始める?専門家が教える効果と正しいやり方

2023年4月7日 10:00

赤ちゃんとのスキンシップを楽しみながら愛情を育むベビーマッサージ。やってみたいと思いながらも、どのように始めたらよいのかわからず、躊躇しているママ、パパもいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、ベビーマッサージのやり方や注意点などについて、「触育ベビーマッサージ」の代表を務める浜崎かなこさんにお話を伺いました。

そもそもベビーマッサージとは?

ベビーマッサージとは、ママやパパが手のひらで赤ちゃんの肌にやさしく触れて愛情を伝える、親子のコミュニケーションです。

赤ちゃんは成長段階によってできることとできないことがあります。赤ちゃんのありのままの姿を受け止め、ベビーマッサージで愛情を伝えることで、育児に対する不安が少しずつ和らぎ、自分自身の子育てを認められるようになります。

また、赤ちゃんとどういうふうに接すればいいのかわからないというパパにとっても、ベビーマッサージはコミュニケーションのきっかけになります。

赤ちゃんにとってのベビーマッサージ5つののメリット

メリット①:自己肯定感が高まる

親子の心の絆が深まることで、自分は大切な存在なんだという自己肯定感が高まります。

メリット②:社会性を育む

ママやパパからたくさんの愛情を受けることで心が安定し、子 どもが自分の気持ちを大切にしながらも、相手の気持ちを考え行動できるようになります。

メリット③:心・体の発達

ベビーマッサージは親子のコミュニケーションなので、心の発達につながります。また、マッサージによって分泌される「幸せホルモン」は睡眠のリズムと関係が深いので、体の成長にも効果があります。

メリット④:脳の発達

受精卵が分裂する過程で、皮膚と脳は同じ細胞から作られます。そのため、皮膚を触ることが脳の発達に効果があるといわれています。とくに指先を触ってあげると脳への刺激になります。

メリット⑤:能力を伸ばす

ベビーマッサージを通じて、ママやパパはありのままの姿を認めてあげることができるようになります。たとえば、赤ちゃんがティッシュをどんどん引っ張り出してしまうのは、つまんで引っ張ることが上手になった証です。ママ、パパに見守られて、赤ちゃんは自分の能力を伸ばしていくことができます。

ママ、パパにとってのベビーマッサージの2つのメリット

メリット①:育児が楽しくなる・自信がつく

赤ちゃんとコミュニケーションする方法が増えるので、笑顔が多くなり、育児が楽しくなります。また、自分のマッサージで赤ちゃんが喜んでくれるので、育児に対して自信がつきます。

メリット②:心にゆとりができる

普段から赤ちゃんによく触れることで、小さな成長にも気がつきます。その結果、赤ちゃんがいたずらをしても成長の結果だと考えられるので、心にゆとりをもって接することができます。

一方、ベビーマッサージを正しく行うかぎり、デメリットはないといえるでしょう。

おすすめの年齢や1日の回数、時間帯は?

ポイント①:生まれてすぐから始められる

ベビーマッサージは生まれてすぐから始めることができます。そして年齢に上限はなく、大人にとってもマッサージはよい効果があります。もっとも、生まれてすぐの赤ちゃんの素肌へのマッサージは刺激が強すぎるので、衣服の上から優しくなでてあげることから始めましょう。オイルを使ってマッサージするのは、ママ・パパ自身が赤ちゃんとの生活に慣れてきた生後1か月くらいからがおすすめです。

ポイント②:1日に何回してもOK

ベビーマッサージは一日に何回でもしてあげることができます。ただし、赤ちゃんの集中力は年齢プラス1分くらいしか続きません。嫌がったらやめましょう。赤ちゃんのペースに合わせてあげることが大切です。

ポイント③:赤ちゃんがご機嫌なときがベスト

ベビーマッサージを行う時間帯もいつでもかまいませんが、ママの気持ちが落ち着いていて赤ちゃんがご機嫌なときにしてあげましょう。寝る前には、ゆったりとした動きのマッサージがおすすめです。

ベビーマッサージの4つの準備

準備①:清潔なバスタオルやマット・布団を用意

裸で行う場合は、寝かせるための清潔なバスタオルを用意します。床とバスタオルのあいだにマットやベビー布団などを敷いてあげるとよいでしょう。

準備②:100%植物オイル・パッチテスト

直接肌をマッサージすると摩擦が起きてしまうので、ホホバオイルなど100%植物のオイルを使います。鉱物油(ミネラルオイル)は全身に使用する目的にはおすすめできません。初めて使うオイルは、24時間前に赤ちゃんのくるぶしや内ももに2センチくらい塗ってパッチテストをすると安心です。赤みや発疹が出たら洗い流してください。

準備③:室温・照明の調整

室温は大人が同じ状態で快適に過ごせる温度に設定します。照明を暗くする必要はありませんが、赤ちゃんが眩しくないよう気をつけてください。

準備④:ママパパの手を清潔&温める

マッサージをする人の手は清潔にし、温めておきます。オイルを馴染ませて温めるとよいでしょう。

ベビーマッサージの手順

手順①:リラックスして左右対称で座る

ママ・パパの気持ちが赤ちゃんに伝わるので、リラックスしてください。まだ骨盤が不安定な時期でもあるので、あぐらや足を広げた左右対称の座り方をしましょう。

手順②:声をかけて始める&初めては足から

赤ちゃんが驚かないように、「ベビーマッサージ始めるよ」などと声をかけて始めます。決まった手順はないので、触ってあげたいところを触ります。普段おむつ替えなどで足を触ることが多く、赤ちゃんも触られることに慣れているので初めての人は足から触ってあげるとよいでしょう。

手順③:リラックス→ゆっくり撫でる・楽しむ→リズミカル

触り方にも決まりはありませんが、圧をかけずに優しく手のひらを滑らせます。リラックスさせたいときには手のひら全体を密着させてゆっくりとなで、楽しみたいときは歌を歌うなどしてリズミカルになでてあげましょう。手のひらでなでたり指先でタッチしたり刺激に変化を与えることが、脳の発達につながります。

全身どこをなでてもかまいませんが、顔をなでるときは驚かないようアイコンタクトを取りながらなでてあげましょう。

準備④:終わったらたくさん褒める&水分補給

マッサージが終わったら、上手にできたねとたくさん褒めてあげます。運動と同じくらい代謝が上がるので、水分補給をしてあげてください。

ベビーマッサージの注意点は?

圧をかけずに優しく行うことが大切です。押したり引っ張ったり、無理な方向に動かしたりしないよう気をつけてください。

また、ママ、パパと触れ合う時間の楽しさを赤ちゃんが覚えてくれるよう、赤ちゃんのペースを大切にして、嫌がったら終わりにしましょう。

気負わずベビーマッサージを楽しんで

ベビーマッサージをやりたいと思っていても、本格的にオイルを使ってとなるとなかなか気が重いものです。そこで難しく考えずに、服を着たまま1回20秒や30秒で構わないので、日常生活の中に少しずつ取り入れてほしいと思います。

ママ、パパにとっても、自分は子どもとの触れ合いを大切にしているという自信が生まれるので、イヤイヤ期などを迎えてもうまく対処できるようになりますよ。

浜崎かなこ

hamasaki kanako

触育ベビーマッサージ代表

臨床検査技師として小児科に勤務するも、長女が生後3か月のときにベビーマッサージと出会い、ベビーマッサージ教室開催へ向けて勉強し、起業。子どもとの時間を大切にしながら、ベビーマッサージのインストラクターとして活躍中。

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