座っていられないのはどうして?
なぜ子どもは座り続けられないの?
なぜ「座り続ける」「じっとする」のが難しい子どもが存在するのでしょうか。原因を見ていきましょう。
まずひとつは「感覚の偏り」です。感覚に偏りがあると、「ボディイメージ」と言われる「自分の体の感覚」を上手につかむことが難しくなります。そうすると落ち着かなくなり、無意識に「自分の体」を確かめようと動いてしまうのです。「体幹」が育つためには、筋肉の発達だけではなく感覚の発達も大きく影響しています。
「注意が短い時間に移り変わる」ことも、「じっとしていない」姿につながります。幼児期の子どもは学習意欲が非常に高く、ひとつ遊んだら(つまり学習したら)すぐ次の楽しいもの(学習する対象)を探す傾向があります。おのずとひとつのことへの集中は短くなりますね。集中力の持続は「年齢プラス1分」を目安に考えますが、子どもは成長に応じて、スポンジのように環境から学んでいるのです。
また、「衝動を抑制する力」が十分に育っていないことも考えられるでしょう。じっとしていることが求められる場面で、興味のあるものを見つけてもすぐ行動に移さず抑えることができるのは、抑制する力が機能しているからです。
幼い子どもは素直に「なんだろう?」という行動を示しますね。抑制力は脳の前頭前野の働きと密接に結びついていて、3歳から5歳ごろに著しく発達します。でももちろん個人差がありますので、特にこの時期は、「ほかの子はできるのに、どうして?」と悩んでしまう保護者の方も多いのです。
子どもの状態を正しく理解することが重要
色々と原因について見てきましたが、もしかすると他にも原因がある可能性があります。子どもがじっとしていられない理由はひとつではないケースも多いのです。
まずは、「このくらいは座っていられるだろう」という大人の想定が、その子に合っているか? を考えましょう。年齢だけではなく、いまの状態をよく検討することが大切です。そのうえで「〇分ならできそう」とチャレンジし、集中できたこと、座れていたことをたくさんほめると、それが成功体験になります。
また、「何もせずただ座る」ことは、大人にとっても苦痛であり、たった30分ほどであっても、「たいくつだな」「つかれたな」と考えてしまうことでしょう。しかし、「楽しいことをしながら座る」のであれば、案外長い時間でも耐えられるものです。もし子どもに座っていてほしいと望むのであれば、「集中できる環境」をつくってあげることがとても大切です。
子どもの状態を理解したうえで、子ども自身が「できた」と感じられる場面を増やし、成功体験を重ねていくと良いでしょう。
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