イヤイヤ期があるのはどうして?
イヤイヤ期とは?
イヤイヤ期とは、2歳前後の子どもの自己主張が「ダメ! イヤ!」と強くなってくることを指します。「魔の2歳児」とも呼ばれる時期です。具体的には、次の行動が多く見られます。
- 食事中に遊び始める
- おもちゃを片付けない
- 出かけた先から帰りたがらない
- ご飯を食べない
- 歯磨きをさせない
- おもちゃやお菓子をほしがる
- おもちゃを友だちに譲れない
- スプーンや箸で物を叩く、投げる
そして、それをやめさせようとすると、大声で泣いたり、のけぞって嫌がったりします。また、座り込む、叩く、暴れるなど、全身で「イヤ!」を表現するので、これが続くと親御さんは、閉口して疲れてしまいます。
なぜイヤイヤ期があるのか
イヤイヤ期は2歳をピークに、5歳ごろまで続きます。なぜ、子どもはこのような爆発的な感情を持つのでしょうか?
それは、幼児の脳は未熟で、自分の欲求を我慢できないためです。
脳は段階的に発達しますが、幼児期の脳は、前頭前野と言われる部分がまだ発達していません。この、おでこの奥にある前頭前野は、我慢したり感情をコントロールしたりする、こころの抑制機能を司っています。この抑制機能が発達していないため、子どもは本能の欲求のままに行動するのです。
ですから、イヤイヤ期のような感情の暴発は、脳が発達し、こころの抑制機能が育ってくるにつれて無くなってきます。
イヤイヤ期のピークは2歳ごろ…一体なぜなのか?
2歳児がイヤイヤ期のピークなのは、心身が大きく発達する時期であることが関係していると考えられます。1歳のころと比べて、歩いたり、走ったり、簡単な着替えや食事をしたりと、挑戦できることが増えてくるのです。その分、うまくいかないことや失敗することも多く、イライラやモヤモヤを感じやすい時期なのでしょう。
また、2歳ごろの子どもは、「眠い」や「疲れた」といった心身の状態を自覚しにくく、うまく相手に気持ちを伝えることができません。こういったフラストレーションをコントロールできず、結果としてイヤイヤ期の行動が生じているのです。
よって、年齢を重ね、前頭前野が発達することで、子どもは自分の気持ちを理解し、自分の気持ちを伝えることも、反対に人の気持ちを理解することもできるようになります。
大坪可奈
幼児教室コペル代表講師・ペアレントセラピスト主宰
幼児教室コペルの代表講師として、30年間で10,000人以上の子どもたちとお父様・お母様を指導。近年は、日本全国や中国での『幼児教育の重要性』を伝えるセミナーが人気を集めている。 「子どもが自立するまでは親からのサポートが必要であるように、親が子育てを学び実践するまでは専門家からのサポートが必要だ」という信念に基づき、日常で実践できるようなほめ方・しかり方や、ケースバイケースの指導を大切にした母親勉強会も評判。 現在も、新宿ミライナタワー教室で、胎教・ベビーコースを行い、幼児教育を通じて、幸せな親子が増えて世の中がよくなることを願っている。 著書「自己肯定感を高める最強の子育て」(PHP出版)