子育てコラム

子どもの心に届く最高の褒め方とは?

2021年12月14日 5:00

『子どもの心に届く褒め方』とは

人間は、褒められたり達成感を感じると、ドーパミンのようなプラスのホルモンが出ます。

やる気というのは、もう一度あの喜びを味わいたいというサイクルである「強化学習」というメカニズムが働いて、意欲がわいてくるということが、脳の学びを考える上で、一番大事なことです。

たとえば「勉強をする」→「褒められる」→「ドーパミンが出る」。そうすると「勉強をおこなう」ということが強化されます。これが継続することで、もっとドーパミンを得るために勉強をおこなうということが、強化されていきます。

皆さんにも得意・不得意があると思います。ですが、得意・不得意というのは、生まれつきのものではありませんし、その人の性格と関係していることでもありません。

たまたま「強化学習」のサイクルが回っていないので、苦手としているのです。

叱ることは次に褒めるための準備であるべき

「強化学習」のサイクルの回し方について、いくつかポイントがあります。

子どもにとって、人に褒められるということは、大変大きなドーパミンを出すきっかけになります。

よく「褒めて育てるといい」といいますが、これは脳科学的に言うと事実です。もちろん、叱ったり注意することも大事です。ですが、99回叱ったら、それは100回目に褒めるときのための準備だと思ってください。

褒めることでしか、脳の学習は完結しません。99回叱っていても、最後の1を褒めてあげなければ、その子はいじけるだけです。

では褒めるときに大事なこととは、どのようなポイントでしょうか?

いいことをしたらすぐに褒める

まず1つめは、いいことをしたら即座に褒めるということです。褒めると脳のなかでドーパミンが出ますが、出るタイミングがずれると効果がありません。

いつも子どもの様子を見ていないと、いいタイミングで褒めてあげられることができません。常に子どもの様子を見ていることが、大事なんです。

わたしメッセージで心に届く褒め方になる

もう1つの褒め方のポイントは、心理学で「わたしメッセージ」と呼ばれているものです。

つまり「私」が主語の表現で「お母さんはこう感じたよ。」という、純粋な第一感情である本当の気持ちを、そのまま飾らずにストレートに伝える表現方法です。

その反対は「○○ちゃんはどうだ」という、「あなたメッセージ」と呼ばれるものです。

たとえば、次のあなたメッセージを、私メッセージに変えるだけで、子どもの心に届く褒め言葉となります。

「○○ちゃん、お手伝いできてえらいね。」→「○○ちゃんがお手伝いしてくれたから、お母さんとっても助かったわ。ありがとう!」
「○○くん、この絵上手に書けてるね。」→「○○くんが描いたこの絵は、木の幹や枝のところがとても細かく描けてるね! お母さんは、この絵がとっても好きだな。」
「100点とったの? よくやったね。」→「毎日ちゃんと勉強していたから100点がとれたんだね! お母さんは○○ちゃんが、それだけ努力したことが嬉しいな。」

子どもは、いつでも親に喜んでほしい、助けてあげたい、役に立ちたいと思っています。

その気持ちに応える私メッセージを伝えることで、子どもは「自分は役に立つ存在なんだ」という自信を持つことができ、心からやりたいと思える自発的、自律的な行動に変わって、やる気を育てていくことでしょう。

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